今日は、ラエル・サイエンスの記事を久し振りに読んでいた。
すると、前立腺がんについての「虎ノ門針きゅう院ノート」というブログの記事の紹介がしてあった。
虎ノ門針きゅう院ノート
PSAのスクリーニングテストは過剰な治療を招く恐れ有
これを読んでみると、現在の医学では、前立腺癌を治療してもあまり意味がないということらしい。逆に、治療すると害がある場合もあると。
また、治療した人としていない人とのその後の寿命の長さを比較しても変わりがなかったと？
また、前立腺の検査を受けるのもあまり健康にはよくないのかな？
以下、その内容をまとめたもの・・・
前立腺癌のスクリーニング検査方法→PSA（prostate - specific antigen） test（=前立腺特異抗原検査）
この検査は、推奨されている検査で、多くの中年男性が受けているが、期待される程のメリットは無く、過剰な治療になっていることが介入試験の結果でわかりました。
PSA（前立腺特異抗原）=前立腺から分泌されるタンパク質。前立腺が大きい程、血中への分泌量が多くなる。
前立腺の癌や炎症→その刺激で分泌量は増す。
成人男性の正常範囲 : 0.5-3.0ng/ml
※ 年齢により基準値は変化
指針の説明
＊直腸指診で異常があればPSAの結果にかかわらず生検を受ける
＊直腸指診で異常がなくてもPSAが次のようなときは生検を受ける
40歳代でPSAが2.5以上
50歳代でPSAが3.5以上
60歳代以上でPSAが4.0以上
＊上記より低い数値でも最近2年間で1.5以上増加した場合。
PSA値が高ければ高いほど、前立腺がんの確率も高くなり、PSA値が50～100ng/mLであればがんの確率はほぼ100％
しかし、上記文献では、PSAレベルが4ng／mL以下では臨床的な意味は無いと報告されています。
前立腺癌と診断された123,934（2004－2006）名の内、
PSA値→4 ng/mL以下 : 14%
4.1 ～20 ng/mL: 73.5%
20 ng/mL以上 : 12.5%
※ 4 ng/mL以下の癌の約54％は悪性度の低いもの
※ 4 ng/mL以下の男性の44％に根治的前立腺切除術が行われた。
また、別の報告もあります。
3,872,866名についての、６つのランダム化対照化トライアルです。
≪相対危険率≫
検診は前立腺癌に対し、R.R.1.46 の相対危険率であり、
前立腺がんでは R.R.1.95 の相対危険率である
但し、検診は、前立腺癌の死亡への有意な影響は認められず (0.88, 0.71 to 1.09; P=0.25) 、包括死亡率への影響も認めない (0.99, 0.97 to 1.01; P=0.44)。
つまり、診断率を高めることには貢献するものの、生死には影響しないということ
それなのに、4 ng/mL以下の男性の44％に根治的前立腺切除術が行われているというのは、つまり、無意味な手術が相当行われていることに問題がある。
諸外国の報告は、ほぼ同じような傾向と言えます。また、この研究は「システミックレビュー・メタアナリシス検討」ですので一定の信頼性が有ります。泌尿器学会や厚労省も真摯に受け止め、検診のベネフィットを示すべきではないでしょうか。診断のための診断、過剰な治療は身体への侵襲であると同時に、医療費の無駄ともなりますから。
これについて、ラエル・サイエンスでは、マーク・リバード医学博士のコメントが詳細されています。
以下、そのコメントの引用です。
複数の研究に関して行われたこの分析では、前立腺がんの検診を受けても恩恵はほとんど得られない、ということが示されています。
その他複数の研究では、前立腺がんだと診断されてから10年後の生存率において、治療を受けたグループは受けなかったグループに比べて高くはありませんでした。（通常、50歳以降は毎年ですが）
それらのあらゆる診察に訪れたり治療を受ける前に、プラスの面とマイナスの面を必ず比較検討して下さい。もちろん、診察を受けるか受けないか、治療を受けるか受けないかを選択するのは、つねにあなた自身です。
しかし、まあこれが十年もすると医学と科学の進歩で新しい治療法が必ず出てくると思うので、そんなに大したことではないような気がしますね。
それよりも、世の中の不況がひどくなり、世界中の紙幣が紙くずになる方がよっぽど深刻だと思います。なぜなら、そうなったら世界第三次大戦が起きる可能性が高くなって、人類が滅びる危険性もあるから。
そうならないように、今の日本や世界の政府がもっと努力して、今の経済システムよりも更に進んだ改善されたものを生み出してほしいです。そうすると、科学が進歩し続けていき、世の中ももっと住みやすくなるでしょう。
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今のような不況の世の中で一番大切なのは、自分がいかに周囲の状況に影響されずに、理由がなくても幸せでいられるか・・・ではないでしょうか。
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