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November 2, 2008
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●読んだ本●



「死せるものすべてに」上・下 ジョン・コナリー著

北澤和彦=訳 講談社文庫











■あらすじ


チャーリー・”バード”・パーカーは
妻と激しい口論の末

いつものように酒場で酒を飲み、
深夜に家に帰り着くと

妻と幼い娘は凄惨な状況で
殺されていた。


刑事を辞め、酒を断ったバードは
生きたまま妻と娘の顔の皮を剥ぎ

内臓を取り出した犯人を追いかけるが
総てが空回りに終わり、

時間潰しに探偵の手伝いをした事から
行方不明の少年探しを手伝う事になった。


葛藤の日々の中でバードは
事件を解決し、

そして妻子殺しの犯人を
徐々に追い詰めて行く。


2000年シェイマス賞最優秀処女長編賞
(アメリカ私立探偵作家クラブ主催)






■感想


何しろ膨大な登場人物に辟易した。
「主要登場人物」に書き切れない。


そして回りくどい文章?
やたら難しい比喩?

何を言おうとしているのか
理解するのに難渋した。


肉付けが多いので
奥行きのある物語になったが

ノートに名前と関係を
書き付けておけば良かった

と思うほど人が出て来た。


しかもどの人物も
バードとの関係が大事なので
飛ばし読みは出来ない。



今私の脳は
普段の十分の一くらいしか働かないので

全く参ってしまって
読むのに時間が掛かってしまった。



でも「下」の方に行くと
文章に慣れたのか

関係性が見えて来て
すぐに把握出来るようになった。


そうすると今度は
登場人物各々の抱える問題の

暗い深淵をも覗き込んでしまい
深くて暗くて重たいものを

一緒に背負い込んでしまったような感じがして
1ページ1ページが
重たく突き刺さって来た。



少し前まで刑事だったバードの
一番信頼出来る友人と言うのが

家宅侵入犯のエンジェルと
殺し屋のルイスと言うあたりが面白く

刑事時代のバードが
どんな刑事だったのかと想像した。


でも誠意のある信頼関係で
この二人とバードは不思議な絆がある。


刑事だったのに
犯罪者と信頼関係が出来上がっていると言う辺りが

普通の元刑事と違う幅の広さと言うか
深さが感じられた。


このエンジェルとルイスが
私は結構好きだった。

脇役が好きと言うのは
私にしては珍しい。




しかし話は
どんどん凄絶なものになって行くので
その暴力性に慣れないものがあった。

スプラッターは苦手なんですね私(^^ゞ



バードは裏社会にどんどん切り込んで行くので
心配性の私はどきどきしっ放しで(笑)




この後バードはこの凄まじい傷跡を
どうやって癒して生きて行くかと
心配になった。


こんな経験をしても
朝起きて夜は何とか眠るんだろうな。

悪夢にうなされ、
しばしば起こされて

他人の空似に衝撃を受けたり
物音に怯えたりしながら
生きて行くんだろうな。



バードに好感は持てるけれど
友達になれるかどうかは解らない。


剃刀の刃みたいで
近くにいると傷付きそうだ。




こんな複雑で魅力的な人が出て来る話が
処女作なんて

その後が期待されるけれど
翻訳ミステリが出版されるのは少ないらしい。


細かい所は抜くと
重厚感のある読み応えのある本だった。







表現については、
戦闘シーンの文章のぎこちなさや

「編集人に会うのか」と言う文章などを見て
「編集者だろう!!」と突っ込んでしまい

ああ、これは訳者に問題ありか?
と思った。




原書を読めたら
違う感想もあったかもしれない。










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Last updated  November 2, 2008 04:47:55 PM
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