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August 10, 2009
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カテゴリ:
●読んだ本●


「悪夢のとき」キース・アブロウ著

矢島京子=訳 二見文庫




楽天には在庫がありませんでした。






■あらすじ(抜粋)


ボストン郊外の町で、
若い女性が惨殺された。


精神異常のホームレスが
容疑者として浮かびあがり、

麻薬中毒ながらも
有能な精神科医フランクが、

その男の精神鑑定を依頼される。


が、
警察の思惑とは裏腹に、
男の有罪に疑問を抱いたフランクは、

やがて血なまぐさい惨劇の渦中に
巻き込まれていく・・・・・。


ジョナサン・ケラーマン、
ネルソン・デミルらが激賞する

ハードボイルド・サスペンスの力作!



これはキース・アブロウの
小説家としては処女作である。






■感想


キース・アブロウは
トラウマや暴力に関連する訴訟事件で

専門家証人として証言に立つ
法精神医学を専門とする精神科医で、

エッセイを沢山書いているそうだが
これが小説の第一作だそうだ。


この内容が、
専門家が隅から隅まで徹底して
知識と経験を注ぎ込んだような

リアルな苦悩に満ちていて、
非常に読み進めるのに困難を要した。


子供時代に虐待を経験した大人は、
時間の経過と共に

生きているだけで
困難と矛盾と悪夢と苦悩に

押し殺されそうな人が多いと思われる。


フランクの崖っぷちの
自転車操業的な毎日が書いてあり、

私もいつまでも過去に振り回されている
残念な大人なだけに

激しく感情を揺さぶられ、
苦悩をひどく共感してしまった。


いつも苦悩から逃げたいために
心の大きな穴を埋めるものを探し回り、

放り込んでも放り込んでも穴は埋まらず
常に飢餓感を覚えるタイプの

アダルト・チルドレンの苦悩を
これほど見事に書いた小説も珍しいと思った。



どんな事件でも解決したらお終いではなく
生活と苦悩はそこから続いて行くのだ。


この小説は
続いて行く生活の中で

過去に作られた大きな穴を
埋めるために異常行動を起こしてしまう大人が

沢山出て来る。



同じ思いをしている人には
苦痛と共感と悶絶を、

全く第三者としての視点で読む人には
理解の枠を外れた呆れた狼藉の数々を、

沢山提供している。



救いはフランクが逃げるのを止めて
問題に立ち向かうと言う点だろうか。



底知れぬ闇が続く崖の上から
下を見続けている人には

今更と思うかもしれないが、

これを知らない人に知ってもらうには
良い本だと思う。



どうして自滅して行くのか
自分でも答えられない

悲しい人々の下に
いつか希望が訪れますように。






濃厚な作品だった。












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Last updated  August 11, 2009 12:35:33 AM
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