1390924 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ふゆゆん亭

ふゆゆん亭

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

ふゆゆん

ふゆゆん

Category

Freepage List

Comments

ふゆゆん@ Re[1]:お返しにお茶漬けセット お茶の荒畑園(06/16) 散歩中の雨雲さんへ ↑何故か私の名前が散…
散歩中の雨雲様~★@ 散歩中の雨雲様~★ 急激な暑さと湿度にへきえきしております…
散歩中の雨雲様~★@ 散歩中の雨雲様~★ うっかりしておりました。 どうやら一般人…

Favorite Blog

コロナ14日目 New! pandanandaさん

『我らなにをなすべ… New! あけみ・さん

MapleNatural  まてん☆さん
teami kago あっちゃん☆*:・さん
Boiling Point boiling pointさん

Archives

June , 2024
May , 2024
February 19, 2010
XML
カテゴリ:
●読んだ本●


「喪失」カーリン・アルヴテーゲン著

柳沢由実子=訳 小学館文庫








■あらすじ■

18歳で裕福な家を捨てて、
ストックホルムで
ホームレス同様の暮らしを続けてきた
32歳の女性シビラ。

ある晩中年男性に
食事とホテルの客室を奢らせることに成功するが、
翌朝になって愕然とする。

その男性の死体が発見されたのだ。

殺害方法は猟奇的で、
シビラは有力な容疑者として警察に追われる。

さらに同様の殺人事件が続き、
すべてが彼女の犯行とみなされる・・・・。

食べ物も寝場所もない極限状態から
たった一人で真相に挑んでいく。


2000年ベスト北欧推理小説賞受賞。
世界20カ国で翻訳されている。







■感想■

シビラが
猟奇殺人犯として追われるようになり、

戸惑い怯えつつも
生き抜く知恵を絞りながら逃げ廻る生活と、

シビラが
家と社会を捨てて一人で生きるようになった

子供の頃の経緯が
織り交ぜて書いてある。


シビラの母は
自分の子供が特別である事を望み、

従順と盲従と行儀の良い社長令嬢を
シビラに望んだため、

母の要求が満たされなかった場合
全ての責任はシビラのせいにされた。


この辺が私の母と私の関係にそっくりで
非常に共感してしまった。

しかも非社会適合者と来ている。


その非社会適合者であるシビラが
逃げ廻り、怯えながらも

自分の生と権利を守るために
真実を探り出して

真犯人を見つけると言う、
ある意味

サクセスストーリーとも言える
サスペンスで、

最終的には非常に痛快なのだが、
シビラの育成環境を考えると

あのしぶとさを
どこから得たのだろうかと思ってしまった。


愛されない子供は
どうやって孤独を凌ぐ事が出来るのだろうか?

取り合えず心の孤独を埋めてしまうよりも
孤独を選ぶ強さを

シビラはどうやって身に付けたのだろうか?

なんて考えてしまった。


スウェーデンのヤングアダルトは数冊読んだのだが、
大人向けの小説は他に読んだ記憶がない。

シビラの心のひだを丁寧に書いてあり、
とても読み易くて面白かった。


ただ、最後がちょっと不満だった。

ネタばれになるので、
これから読もうと思う人は読まないで欲しいのだが、

私がシビラなら子供を捜しに行くと思う。


よそに預けられた子供が幸せかどうか、
見届けなければ私は安心出来ない。


自分が愛の無い家庭で
孤独に育ったのであれば尚の事、

自分が産んだ子供が
幸せに暮らしているかどうか
不安になるのではないかと思う。


著者は愛のある家庭で育ったから
この話で

厳しい環境に置いたシビラ以外の家庭には
愛があると

無意識のうちに
考えているのではないかと思った。


家庭の中なんて
よその人には全く見えないものだ。

こっそり隠れて観察しないと
見えないものが一杯埋もれている。


だから私なら
絶対確認に行く。


暫く近くでこっそり観察し、
子供がしっかり生きているようであれば

その時こそ
姿を消せば良いのではないかと思う。


自分の問題だなんて言い切る所が
納得行かない。


家も社会も捨てるほどに孤独で傷付いた人が
そんなに楽天的になれるのかなと思った。


個人的にはラストの締めが不満だったが、

読み応えとしては
とても良い小説だった。


ただ、
両親が悪者にされたままなのが
気になった。

角度を変えて見ると
違うものも見えるんじゃないかなと思っているので。


いつかシビラが
母を許せる日が来ればいいなと思った。











■ちなみにカーリン・アルヴテーゲンの大叔母は
「ながくつしたのピッピ」「やかまし村の子どもたち」

「名探偵カッレくん」などの著者で有名な
アストリッド・リンドグレーンである。



スウェーデンの作家で検索をしていたら
カール・ラーションが出て来た。

とても暖かい絵を描く作家で
スウェーデン人とは知らずに
作品を愛でていた私だった・・・(^^ゞ















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  February 19, 2010 11:11:24 AM
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X