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テーマ:本のある暮らし(3284)
カテゴリ:本
●読んだ本●
「クリスマスに少女は還る」キャロル・オコンネル著 翻訳=務台 夏子 創元推理文庫
■あらすじ■ 抜粋 クリスマスも近いある日、 二人の少女が失踪した。 刑事ルージュの悪夢が蘇る。 十五年前に殺された双子の妹。 だが、犯人は今も刑務所の中だ。 まさか? 一方、 監禁された少女たちは奇妙な地下室に潜み、 脱出の時をうかがっていた……。 一読するや衝撃と感動が走り、 再読しては巧緻なプロットに唸る。 新鋭が放つ超絶の問題作! ■感想■(少しネタバレあり) 愛と哀しさと切なさに満ちた 素晴らしい一冊だった。 登場人物一人一人が苦悩し、 喜び、楽しんで 生き生きと描かれていた。 15年前に双子の妹を誘拐され 殺害されたルージュ・ケンダルの視点。 ルージュの妹を殺したとして 刑務所で苦渋の日々を生き抜いている 神父の視点。 神父を慕い、 違う角度から事件を見つめている アリの視点。 監禁されても脱走を企てる 少女達の視点。 己の秘守義務に縛られて 苦悩の日々を過ごす精神科医の視点。 沢山の人達の人生が織り込まれたような 重厚な一冊だった。 特に、 人に心を開くのが難しいディヴッドとルージュの交流は 町の人達を巻き込んで ひと時の賑わいと心の温かさを思い出させた。 二人のキャッチボールを見て、 警官達が一人二人と参加して 2チームのベースボールになり、 通り掛った子供達も参加して 子ども達の楽しいゲームになって行く様子は 胸が高鳴ってワクワクして 人と関わる豊かさを思い出させてくれた。 子供を誘拐された親達の苦悩や サディーのお母さんの愛と確信が 苦しく切なく、 私の胸を打った。 愛する者を奪われた人々の 愛と苦悩の日々が描かれていた。 どの登場人物に対しても 読んでいるうちに愛着が湧き、 胡散臭いFBIのアーニー・パイルさえも 人間臭さ故に好きになったくらいだ。 そしてあれこれ謎が残っているのも 読み手側の余韻を呼んで、 なかなか良いものだと思った。 最近で一番好きな一冊に出会えた。 紹介と感想をHPに載せてくださった 斑様のお陰で この素敵な一冊に出会えた事を感謝します。 *この本の中古本が一冊余っているので 是非読みたい方がいらしたら、 左下の「メールを送る」で住所を教えていただけたら 文庫本ですがお送りします。 とてもとても良い本なので 読みたい方に差し上げたいです。 追記 差し上げる方が見つかりましたーー(*^-^)ノ 2010・10・07 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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