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2006.08.21
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カテゴリ:過去の事
どんなに貪欲に求めても、答えなど何処にも無くて、

ただ、ただ途方に暮れる。




「何故食べなければならないのか。」

「何故私は過食と嘔吐を繰り返すのか。」

「何故こんなにも苦しいのか。」

「何故こんなにも哀しく心細いのか。」

「何故生きねばならないのか。」





誰に問うても、納得できる回答は得られないであろう。







不確かな病であるが故、どうしても確かな答えを

欲しがってしまう。

そんなもの、何処にも無い事は解っているのに・・・。

そしてうつに陥り身体が微動だにしなくなるのである。

詳しい事ははっきりと述べられないが、

『うつ』は一種の防衛反応である。

だから、動きたくても動けなくなるのである。

世間の人達は、そうしたうつに陥っている人を

責めるしか能はない。




「気合が足りないんだ。」

「気の持ちようだ。」

「お前なら大丈夫だろう。」

「もっと頑張れよ」

「動け、働け。」





重度のうつ病に罹っている人に、上記の言葉を

発しようものなら、その人は自殺をも考えるであろう。

重度になると、寡黙状態になり全く動けなくなるのに

働けと焚き付けるのであるから、

益々窮地に追い込まれ、『自分は駄目な人間だ』

悲観し、自殺へと繋がるのである。







摂食障害を患っている人に対しても

似たような事が言える。


凄く苦しんでいるのに、やはり

「気の持ちようだ」とか「我慢しろ」そして

「吐くくらいだったら食べるな」等、

心無い言葉を嫌と言うほど浴びてきた事であろうと感じる。







摂食障害も重度になると、動けなくなる。

勿論低体重で、慢性的な栄養失調となり動けないと言った

物理的な原因もある。けれども、1日中『食べると言う事』

縛り付けられて、何も手に付かなくなるのである。

勿論罹患者は、その状態をどうにか打開しようと

必死で頑張っている。そして中にはその様な状態でも

お仕事をされている方もいる。

始めに述べた、「何故~??」と言う

疑問を抱きつつ、苦しい思いをして労働をしている方々は

物凄く辛いと言う事が、言わずもがな解るであろう。







自分は環境に恵まれていると、ひしひしと感じる。

以前は、うつもリストカットも摂食障害も酷い状態で

働いていた。その上、病気の事で妹と母に責められた。

妹に関しては、私が一寸した要望(・・・夜中まで他人が

家の中にいると落ち着かなくて辛いから、早目に帰って

欲しいといった事・・・)を言うと、怒涛の如く悪口を叩かれ

追い詰められた。死ぬしかないと思う程に。

しかし、「死なれたりしたら余計迷惑だ」と、

逃げ場をとことん奪われた。

残ったのは、働いている時以外殆ど眠らず

過食嘔吐を繰り返す事と、自傷であった。







この状態が打開できたのは、毎晩妹が彼氏を家に

泊まらせていて、母にも限界が来たからである。

妹たちを追い出すという形になってしまったが、

狭い家の中。見知らぬ男の声を聞くのは苦しかったし、

男性不信の私にとっては、物凄く辛いものであった。

そうして、母との2人暮らしが始まった。







母と2人で暮らすようになり、大きな変化があった。

私の病気を理解しようとしてくれ始めたのである。

そして今や、私の主治医ともお話を

重ねて、摂食障害を患っている人の親がどのような心で、

態度で接したら良いのかを母も理解してくれるようになった。

そうして漸く、あらゆる病気の治療に専念できるようになった。

生きるということが、随分楽になった。







しかし、日々疑問は湧いてくる。

そして何処にも無い答えばかりを、模索している。







閑話休題。

比較的楽に過ごせた日中、先日見つけた百合の花を

スーパーへ行く途中に撮影しようとした。

しかし、心無い誰かに毟られて、蕾も開きかけていた花も

無くなっていた。あったのは、ひょろりと痩せた茎だけであった。


呆然とした。コンクリートの隙間で、頑張って命を繋げた百合。

密かに毎日見る事を楽しみにしていたので、

とても哀しかった。空を見上げても一面グレーの曇り空。

そして、これから自分が行なおうとしている事を思うと、

酷く虚しかった。




過食嘔吐をしても、何も意味は無いのに。

唯苦しいだけなのに・・・。なのに何故こんな事を毎日・・・。








答えはどこにも無いけれど、前を向ける言葉は沢山ある。

特に主治医から与えられる言葉、母からの優しい温もりは

どうにか私をこの地に留まらせてくれる力がある。







今感じている想い・・・寂しい心細い、苦しい。

これらの想いを如何にかしようとするのではなく、確かに

感じているものとして胸に留め、耐えることが大切である。

そうする事で生まれ出るものがある。ふとした瞬間に、自分が

どう動くべきか解る時が訪れるであろう。

だから焦って答えを探す必要は無いのかもしれない。

どんなに辛くても、哀しくても、それらを抱えて前を向きたい。





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Last updated  2006.08.21 21:07:29
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