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カテゴリ:特別な日
この日の為に私は、 精神を奮い立たせて先ず美容室へ行き、 そして祖父母と共に買い物へも行き、 前日の夜には準備万端だった・・・のだがしかし、 弟は、違った。 式の1週間位前から母は、弟が着て行くスーツを 買うからと、何度も弟の携帯に電話していたけれど 中々連絡が取れなかった。 やっと電話が繋がったと想ったら、 「スーツとか靴は全部友達が貸してくれるから買わなくていい」 と言うのである。 しかし、サイズを合わせた訳でもなく、 手元にも無かったみたいなので、 母はずっと心配していた。 そして火曜日、母は美容室で転倒し、捻挫する。 怪我の程度が少し酷かったので 少しでも良い状態で結婚式に出席できるよう 兎に角安静にしてもらっていた。 だからその間、弟の事は考えていなかった。 そして前日の土曜日。最終確認としてスーツの事を弟に訊ねた。 すると弟は、 「スーツ、借りれなくなったから、これから買いに行く」 と言ったのである。 母は勿論物凄く怒った。前の日になって何を言い出すのかと。 スーツを買うお金を出すのは、母である。 まだ痛む足で、弟を迎えに行き、 紳士服の青山かどこかに連れていった。 しかし、買いに行くと言った時間がお昼過ぎで お店に到着したのは、夕方。 裾上げをしてくれる店員さんはもう帰ってしまっていた。 なので、ズボンの裾上げはテープとアイロンで 一時的に出来るものを、母がやる事となった。 最高潮に、母の機嫌は悪くなっていた。 「式の前の日は落ち着いて過ごそうと想っていたのに!」 私は、未だに母の機嫌が悪いと怖い。 だから手伝っている時は怯えながら、過ごした。 夕飯の買い物を終えたらすぐ、裾上げに着手したが、 仕上がったのは午前0時前だった。 母は苛々しているので言葉遣いも乱暴で、 私に対しても八つ当たり気味の態度だったので 少し傷ついた。 「どうして私がこんなに怒られなきゃいけないんだろう 確かに私は不器用だから、苛々させてしまっているけれど・・・」 釈然としないまま、少しずつストレスが溜まり、 段々頭と胃が痛くなってきた。 折角喜ばしい式の前の日なのに、こころは沈んだ。 その後は、母と一緒に食事をして・・・といつもの感じで過ごした。 いつものように、やはり私は過食と嘔吐をした。 その後、ぐったり疲れて1時間半ほど眠った。 なので実質上、1時間半の睡眠時間で 結婚式に出席した事になる。 3時位からずっと起きていた。眠ってしまったら 絶対起きられない事は分かっていたので、 読書をしたり、ネットで様々なブログを 読んだりしていた。 ちびりちびりと日本酒を飲んでいると、 私が花嫁でもないのに、どんどん緊張してきた。 その緊張は、沢山人が集まる場所へ行かねばならない といったいつもと全く違うシチュエーションで過ごす事。 また、神前式なのでその場でどのように していれば良いのかという不安感・・・様々な 想いが一度に押し寄せてきて それが“緊張”へと繋がり、 胸がどきどきして手が震えた。 式当日の朝。 8時半には家を出発する予定だったので 余裕を持って行動できるよう、 6時過ぎにはシャワーを浴びてお化粧を始めた。 だが、眠っていない私は行動がいちいち遅く、 変わった形のピアスを付けるのに戸惑ったり 久し振りに穿くストッキングに悪戦苦闘したりしたので 結局時間ぎりぎりになってしまった。 母は、レンタルの黒留袖を式場で着付けしてもらうので 支度は直ぐに済んだ。 私は、ヘアセットをしてもらえるので若干時間に 余裕が出来るかと考えていたが、 髪はウエストまであるので乾かすのにも時間がかかって 本当、大変だった。タクシーの中で、 「支度するだけでかなり疲れたよ・・・」 と弱音を吐いてしまったほどである。 だが、父の家に居る弟を拾って式場に到着した途端、 “わくわく”の方が勝って、疲れは幾許か吹き飛んだ。 9時過ぎ、私のへアセットも終わって、妹が準備をしている部屋へ向かった。 白無垢を着るのは大変なので、 時間ぎりぎりになってから着るのだと ピンク色の肌着姿だった。 それでも、お化粧はばっちり仕上がっていて 不思議な気持ちになった。 祖父母との買い物で購入した今日の私の格好を、 妹がたくさん褒めてくれて、凄く嬉しかった。 ワンピースを着るのも高いヒールの靴を履くのも 凄く久し振りだったし、 パーティー仕様のヘアースタイルは滅多にしないので 鏡に映る自分を見ても、自分でも他人を見ているようだったから 妹に「似合うやん!かわいい!」と言ってもらえて くすぐったい気持ちになった。 弟は、その場でスーツに着替えた。 金髪で、少し伸びた坊主頭の弟だが、 結構スーツが似合っていた。 前日は、あれだけ母と私を困らせたので とても腹が立っていたけれど、 弟は飄々としていて憎めないヤツなので 一言、苦言を呈しただけで、許してしまえるのである。 スーツが初めてなら、ネクタイも結んだ事がない弟。 結局、ネクタイは後に、叔父によって結んでもらう事になる。 暫し歓談していたら、黒留袖を着た母が 姪っ子を連れて来たので早速デジカメで写真を撮った。 そろそろ祖父母や叔父叔母が来る頃なので 控え室へと向かった。 久し振りに、家族が揃った。 残念ながら、叔母の娘と息子はそれぞれ 千葉で働いている事、愛知の学校に通っている事で 今回来られなかったけれど、 祖父母、私達家族、叔父叔母という 親族での写真が撮れて嬉しく想った。 ただ、姪っ子は新郎の妹さんのお子さんと遊び回っていて 掴まらず、一緒に撮れなかったのが心残りではある。 でも、神前式が終わった後、 新郎の親族、新婦の親族全員の集合写真を撮ったので これを一生大切にしたいと想う。 控え室にいる間、みんなと他愛ない話をした。 弟は、叔父にネクタイの結び方を習っていたが、 何だか難しい結び方だったので覚えられず 「今日だけきちんとしておけば良いだろう」 という事で、きっちり締めてもらっていた。 祖父は、私の姿を見て 「ありゃあ、○○ちゃんは本当、べっぴんさんやなあ。かわいいなあ。 こりゃ男が放っとかんよ。 誰もが“わしん所へ嫁に来てくれ”っていうぞ わしは、許さんけどな!」 と何度も言ってくれた。 また、目が合う度に祖父は目を見開いて 「その洋服、本当に似合うなあ。かわいいなあ。うん。かわいい。 ぱあっと輝いとるがな」 と言うので、もう、とてもくすぐったかった。 認知症の祖父だから、その言葉には裏なんて無い。 ひねくれものの私でも、ありがたく受け止められた。 こんなにも私を肯定してくれて 温かい気持ちになったのである。 「そんなに褒められたら、私、どこまでも鼻が高くなっていって大変な事になるわ!」 と笑いながら答えたら、皆も笑ってくれて 本当に和やかな時間が過ぎていった。 そして、神前式の時間がやってきた。 まだ疲れが残っていて、頭痛が激しいので 今日はここまでにしたい。 明日は、神前式から披露宴の事を綴りたいと想う。 ゚☆,。・:*:・゚★゚☆,。・:*:・゚★゚☆,。・:*:・゚★゚☆,。・:*:・゚★゚☆,。・:*:・゚★゚ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.28 23:04:00
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