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2007.10.12
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カテゴリ:読みもの
                 

       ♪恋待花:オレンジ色のストーリーの彼は、
           ちょっと福山雅治似の素敵な彼でした。♪


 ・・・オレは知っていましたよ。
  だっていつも通る時間が同じでしょ。・・・

 帰りの廊下で、さとちゃんのこの言葉が胸に響いていた。

 今付き合っている彼氏とは、最近倦怠期気味。
 付き合って2年になるけれど、焼きもちが酷く会えば必ずケンカをする。
 『年下だから仕方がないよ』と春は言うけれど、そんな事はあまり関係ない。
 年下といっても、たった1つしか変わらないし、
 3月生まれの私と11月生まれの彼氏では、
 たいした差を感じないのである。

 となりの芝生は青く見えるとは良く言ったもので、まさに今そんな感じの私なのだ。

 『こんにちは』
 『どうもー。元気そうね。』
 『お陰さまで』
 いつもの他愛無い挨拶。
 でもあの朝以来、心なしか少しだけさとちゃんに近づいた感じがしている。
 『あー。恋さん…』
 『何…。』
 『何でもない。またね』
 最近、さとちゃんからこんな風に声を掛けられる事が多くなった。
 相変わらず、オレンジ色の靴下が眩しい。

 『恋。話しておきたい事があるのよ』春が突然話し掛けて来た。
 『何?もしかしてとうとう…』

 春と春の彼氏とはとても仲良しさん。
 近々ゴールインするのでは…との噂をよく耳にする。

 『そうじゃなくて』
 『じゃぁー何?』
 『さとくんの事だけれど、彼女いるの知っているよね』
 『知っているよ。でも何で…』

 春はなかなか話し出さない。
 『どうかしたの…?』

 春の顔を覗き込むと、一点を睨むように見つめている。
 『さとくん彼女に、今気になる人がいる。とても大切に思っているって言ったらしいよ』
 『それと私と関係あるの?』
 『どうやらそれは、恋の事らしいよ』
 『えっ!』

 複雑な心境。
 でも胸の中の恋待花は、もうひらき始めている。(…つづく)


 * * Vol.1は10月3日の日記またはFree Pageにあります。
   興味のある方は、お立ち寄り下さい。





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最終更新日  2007.10.12 09:26:58
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