034686 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ぺこぽこまむず広場

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2007.10.31
XML
カテゴリ:読みもの
                 

       ♪恋待花:オレンジ色のストーリーの彼は、
           ちょっと福山雅治似の素敵な彼でした。♪

『今、気になる人がいる。とても大切に思っている』

 何だか凄い言葉。
 さとちゃんそんなことを彼女に言ったの…?
 でも言われた彼女は堪ったのもではない。

 私も彼氏とはよくケンカをする。
 『その焼きもちが本当に嫌なの。直してもらえないかなー』と
 何度もケンカをしてデートを中断したことか。

 本当に、彼氏の事を考えると嫌になる。
 人の事より自分の方だ。
 さとちゃんと彼女の事なのだから、私がどうこうする問題ではないもの。

 慌しい朝。
 いつもの書類を各職場へ配布する。
 さとちゃんの職場の前を通り戻る時、
 『おはようございます』と元気な声。
 『あっ。さとくん。おはよう』
 変わらないいつもの笑顔。
 『いつも元気ね』
 『そうでもないですよ』
 日に焼けた肌にキラキラとした丸い目。まつ毛が長い。

 一瞬の沈黙。
 不思議な空気が二人のあいだに流れた。
 『あのね』 
 『恋さん』
 二人同時に声を出していた。

 『さとくん。今度映画にでも行かない?』
 口早に話しかけた。

 何でそんなことを言ってしまったのか、自分でも理解できない。
 抑えられない何かに動かされてしまった私がいた。

 『恋さん。良いですよ。本当は俺から誘いたかったのに。勇気ありますよね』 
 “くすっ”と笑ってさとちゃんはそうに答えた。
 『観たいものありますか?なければ日にちで決めますか?彼氏とのデートもあるでしょう』
 『大丈夫。じゃ後でね』
 そうに答えるのがやっとだった。

 彼氏に知れたら大変だ。
 人一倍焼きもち焼きでプライドの高い彼のこと、きっとただでは済まないだろう。
 まだ胸がドキドキしている。
 このままデスクには戻れない。
 化粧室に駆け込む。ほんのり頬が赤い。

 ふと、さとちゃんの言葉を思い出した。
 『…本当は俺から誘いたかったのに…』
 春の言っていた事、信じてしまいそうだ。

 恋待花が咲きはじめた。(つづく…)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.10.31 21:04:14
コメント(0) | コメントを書く


フリーページ

プロフィール

ぺこぽこまむ

ぺこぽこまむ

カレンダー

カテゴリ


© Rakuten Group, Inc.
X