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カテゴリ:読みもの
♪恋待花:オレンジ色のストーリーの彼は、 ちょっと福山雅治似の素敵な彼でした。♪ 『今、気になる人がいる。とても大切に思っている』 何だか凄い言葉。 さとちゃんそんなことを彼女に言ったの…? でも言われた彼女は堪ったのもではない。 私も彼氏とはよくケンカをする。 『その焼きもちが本当に嫌なの。直してもらえないかなー』と 何度もケンカをしてデートを中断したことか。 本当に、彼氏の事を考えると嫌になる。 人の事より自分の方だ。 さとちゃんと彼女の事なのだから、私がどうこうする問題ではないもの。 慌しい朝。 いつもの書類を各職場へ配布する。 さとちゃんの職場の前を通り戻る時、 『おはようございます』と元気な声。 『あっ。さとくん。おはよう』 変わらないいつもの笑顔。 『いつも元気ね』 『そうでもないですよ』 日に焼けた肌にキラキラとした丸い目。まつ毛が長い。 一瞬の沈黙。 不思議な空気が二人のあいだに流れた。 『あのね』 『恋さん』 二人同時に声を出していた。 『さとくん。今度映画にでも行かない?』 口早に話しかけた。 何でそんなことを言ってしまったのか、自分でも理解できない。 抑えられない何かに動かされてしまった私がいた。 『恋さん。良いですよ。本当は俺から誘いたかったのに。勇気ありますよね』 “くすっ”と笑ってさとちゃんはそうに答えた。 『観たいものありますか?なければ日にちで決めますか?彼氏とのデートもあるでしょう』 『大丈夫。じゃ後でね』 そうに答えるのがやっとだった。 彼氏に知れたら大変だ。 人一倍焼きもち焼きでプライドの高い彼のこと、きっとただでは済まないだろう。 まだ胸がドキドキしている。 このままデスクには戻れない。 化粧室に駆け込む。ほんのり頬が赤い。 ふと、さとちゃんの言葉を思い出した。 『…本当は俺から誘いたかったのに…』 春の言っていた事、信じてしまいそうだ。 恋待花が咲きはじめた。(つづく…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.31 21:04:14
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