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2007.05.19
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京都の町屋を改造した絵本カフェ「ペンネンネネム」京都店の二階シアタールームで、ドキュメンタリー『STILL ALIVE 2005年プーケットで何が起きたのか』を上映し、災害と国籍の話、観光風評被害の話などについての座談会を行いました。同志社大学政策学部の学生さんを中心に10名ぐらいが集まった。
最初は上映。熱心に映像に見入る。
上映が終わりコーヒーブレイクをしながら座談会に突入。
今回のイベントの主催をしている方たちは、ジャワ島の地震について現地に行った方たちということで親近感を持ってもらえるように。プーケットという島の名前の由来の話をする。
プーケットの語源はマレー語で「岡」という意味の言葉からきている。マレー語とインドネシア語は兄弟のような言葉で約7割ぐらいは通じる。まあタイ語とラオス語の関係のようなものである。だからプーケットがタイでありながらマレー語だということで、インドネシアの文化に興味のある人が一気にプーケットに興味がわいてくる。
それから、国というものについても考えてもらった。マラッカ海峡の海賊、パスポート、資源など、外国人の身の安全や国がその土地を納めるということについて話が及ぶ。そしてタイで働くミャンマー人の話と続く。
次にジョグジャカルタとプーケットでの日本人被災者についての話となる。ジョグジャカルタとプーケットとの比較の話をしていて共通点は、被災地といっても、被害が大きいところと、それほどでもないというところがあるということがあった。そして、相違点は、住んでいる日本人の層が違うということである。ジョグジャカルタは駐在員が中心で、日本人会が結成されているのに対し、プーケットは駐在員の比率が低く、タイ人と結婚して家庭を持っているというケースが多い。しかもプーケットは、現地採用ということもあり、駐在員より給料がかなり低い。そこに風評被害が起こり、日本人観光客が減ったため日本人相手の商売をしていた現地採用の日本人の需要が少なくなり経済的なダメージを受けることとなる。
駐在員の多い少ないは、現地での日本語教育の差にもつながってくる。
それから、水商売をしている地方出身者、外国人労働者の被災の話となる。この水商売の中には、宗教や道徳的にはよくないものや、違法な商売であったり、違法な手続きでこの土地に来た人たちが含まれる。そういうものが復興の対象となるのか、自立支援の対象となるのかという問題の話となる。京都の祇園の辺りにも外国人の水商売の人たちがいる。
昨夜テレビで、京都を舞台に在日朝鮮人コミュニティを捉えた井筒監督の映画「パッチギ」が放映されていたが。どういう経緯で他の国に住んでいるのかという事は違うにしても。もし災害が起きたとしたら、そこに外国人がいて被災したという事実があるだけで。その人がどんな商売をしていたのか、どういう経緯でこの土地にいるのかとか関係なく緊急支援を受けることができるべきである。しかし、そういう受け皿があるということが、その土地に住んでいる人に、外国人がその土地に来て居ついてしまうという不安感を抱かせる。場合によっては、自分たちになにもしてくれないのに、外国人を優遇しているのではないかという話にもなりかねない。




今回は、京都という観光都市ということもあり、観光風評被害についての関心が高かった。
メディアに対し、被災地のその後の姿を映してほしいという意見もたくさん出た。
しかし、メディアは、多くの人が望んでいるであろう、ウケるであろうというものを放送するという特性の話と。津波直後の取材をしたテレビカメラマンが、その後津波の被災地の撮影ができなくて、東京郊外の店で津波で運ばれてきた砂の入った人形を買って帰った話をすると。メディアがやってくれるだろうという期待が打ちひしがれた。
そんなことで、いろんな話をしていると、あっという間に終りの時間が来てしまった。
最後に参加者全員が一言ずつコメントをした。涙ぐみながら感想を述べる方。私と同時期にプーケットに対った方。それぞれいろんな思いを語ってくれた。
そして、テレビや活字では見えない、行間とか感情を私の作品から感じてくれたようです。感謝です。
今回の座談会では、結論は出なかった。というより、ここでは結論が出ないので、それぞれ生きていく中で考えるということとなった。数年先、同じテーマで同じメンツで同じような座談会を行ったら。また違った話になるでしょう。
また会える日をということで、散会となり、そのまま駅に向かい新幹線に乗り込み東京に向かった。





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最終更新日  2007.05.20 00:24:54
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