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2007.07.15
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カテゴリ:スポーツネタ
初戦をまさかのミスで勝利を逃し、サッカーのアジアカップの報道合戦が加熱しているようです。オシム監督は比喩表現が巧みなのですが、それだけに真意が伝わらない事もあり、いろんな憶測が飛んだりして、話題に事欠かないわけですが。今回のような、勝つはずの試合をミスで引き分け、オシム監督がインタビューで話す気になれない状態となった場合、加熱した報道体制は選手に向けられてしまうことになる。選手への取材は「ミックスゾーン」と言われる場所でのみ行うこととなっているそうだが、オシム監督の言葉が聞けなかった報道陣が、ミックスゾーンで選手たちに襲いかかるぐらいにオシム監督のことを聞き出そうと取材攻勢を掛けたと思われる。
こうなると、選手から聞こえてくる、断片、断片を繋ぎあわせて、勝手な話が出来上がってしまう恐れが出てきた。つまり、誤解が生ずる構造が出来上がったということである。しかも、その誤解がメディアを通じて報道されたら大変なことになる。
また、誤解したことで、その後のコミュニケーションに亀裂が入る場合もある。
そこで、おそらく日本サッカー協会の広報が動いたと思われるのだが、公式会見後に千田通訳を交えて記者団とのブレーンストーミングを行ったようなのだ。
下記の記事を書いた記者が「ある情報を確認し、共通の認識を持てたことは、コミュニケーションを円滑に進める上でとても貴重なことだった。」と書いているが。誤解が生じコミュニケーションの亀裂が生じたなら、早くその誤解や不信感を解くアクションをし、コミュニケーションを円滑な状態をうまく保ったようなのだ。

最近、政治家や省庁、企業の不祥事が相次いでいるが、何かを隠そうとしたりしたため、話が断片、断片になり。その断片を繋ぎあわせて、勝手な話が出来上がってしまい、不信感の上塗りをする姿が嫌になるほど報じられてきた。
それは、誤解や不信感を解くアクションをせず、次のセンセーショナルな話題が出てくるまでとりあえず凌いでしまおうとか、いろんな言い訳を並べたり、論点をズラしたりしてはぐらかすなどの方法で騒ぎを乗り切っている。まあ、それは、それで、効果はあるようで。見事に論点をズラされたり、はぐらかされたり、はたまた人が亡くなってしまったことで本当は問題が山積みなのにそのことを話してはいけない雰囲気になってしまったりしている。
結局、それが、人々とのコミュニケーションの亀裂から不信感を産み、政治不信や、企業イメージダウンということになるし。一時はいのいだとしても、問題は解決していないので、またいつ同じ問題が出てくる状態であり、当事者が一時しのぎができて手間が少し減る以外、社会全体としてのメリットはない。場合によっては気がつかぬ間に傷口が大きくなる場合も。

年金問題はその典型で、気づきながらも、はぐらかしたり先延ばししてきて傷口が大きくなった。おそらく、どの政党が参議院選に勝っても、既に問題解決出来る状態ではないでしょう。破綻してみるしかないかも。国民年金というしくみがなくても、それなりに幸せに老後を過ごしている国もあるわけですしね。
ここまで、傷口が大きくなると、もうほぼダメです。
しかし、そうなる前にやるべき事があったような気がしてなりません。
信頼回復は早く手を打った方が解決しやすいという法則のようなものもあるようですしね。

今回、日本サッカー協会が取ったアクションは、広報の問題解決だけでなく、さまざまな信頼回復のヒントになるアクションのように感じました。



参考記事 以下引用

【日本代表コラム】「オシム語録」に変化アリ!?
2007年07月14日22時24分
http://news.livedoor.com/article/detail/3233463/

今野に指示を与えるオシム監督。左から2人目が千田通訳 UAE戦前日の公式記者会見での出来事だ。会見の冒頭でUAE戦の抱負を聞かれたオシム監督は、「UAEはデンジャラスなチーム。しかし、デンジャラスなのはUAEだけではない。日本も、よりデンジャラスな状況にある」と持論を展開した。

 その後も会見は続いたが、これまでと違ったのは、会見後に通訳の千田氏と記者団でブレーンストーミングが行われたことだ。その伏線は初戦のカタール戦後にあった。オシム監督は、記者会見であまり多くを語らないため、マスコミ各社はミックスゾーンで選手自身の口から試合後のロッカールームでオシム語録を始め、すでに報道されたように、千田通訳が泣いてしまったことなどの情報を入手した。選手からオシム監督が何を話しているのか情報を聞き出す行動は、翌日の練習取材からほとんどの記者が行うようになった。こうした行為に、千田通訳が「伝言ゲームになって、意味も変わってしまう」と危機感を抱いても不思議ではない。

 そこで千田通訳は、公式会見後に、記者団とのブレーンストーミングに応じたのかもしれない。「デンジャラス」というオシム監督の表現については、「お互いに負けた方が大会からサヨナラという意味で、グループリーグ敗退の危険性がある国同士の対戦である」という意味で使ったのではないだろうかという結論に至った。

 こうして文字にすると、瑣末なことのようだが、ある情報を確認し、共通の認識を持てたことは、コミュニケーションを円滑に進める上でとても貴重なことだった。

 オシム監督が「デンジャラス」と言ったUAE戦は日本が3-1で大会初勝利を上げ、順当に勝ち点3を獲得した。そして試合後の会見である。「一番うれしいことは、選手が元気で試合を終えたことだ。なぜなら選手もスタッフも、誰もが心臓発作を起こさなかったから」と得意のオシム語録を披露した。しかし、その後続けて「それだけ気候条件の厳しい試合だった」と“解説”したことに驚いた。これまでのオシム監督は、ストレートな物言いながら、どこか比喩的で、発する言葉の裏側を深読みする必要があった。

 ところが、この日の会見では基本的な姿勢は変わらないものの、その意味を懇切丁寧に解説してくれた。通訳は自分自身の感想や想像を交えず、監督のコメントを忠実に翻訳するのが本来の仕事である。しかし、それだけでは自分の真意が伝わりきらないと、オシム監督は判断したのかもしれない。千田通訳を介したオシム監督と記者団との“パス交換”が、アジア杯2戦目でようやく気持ちが通うようになった。そう思うと、カタール戦のドローもオシム監督、千田通訳、記者団との関係を円滑にするための、貴重な勝ち点1だったのかもしれない。

六川亨





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最終更新日  2007.07.16 00:39:48
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