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テーマ:ニュース(100176)
カテゴリ:タイ・ラオス そして、アジアの国々
約10年続いていた、タイでのウルトラマンの海外利用権に関する裁判ですが、タイの最高裁で円谷プロの著作権を全面的に認める判決が出ました。
この判決は、この10年でタイの映画産業のステージが変わったことが、判決に現れているのではないかと思われます。 円谷プロとタイのチャイヨープロダクションが契約したという1970年代中盤は、1960年代終わりごろにタイの映画産業を育成しようという流れが出来。1970年代当時は、海外の作品にはものすごく高い関税をつけて、タイ国内で上映できないようにしていたそうです。 契約の詳細はわかりませんが、1970年代に交わされた契約は、タイの映画産業保護という情勢の中で契約されたわけで、タイ側の政治情勢に従ったものになっていれば、タイで関税が掛からない方法で上映出来るようにと、共同製作をしたという事でタイ側にも著作権があるような書かれ方をした条項もたくさん入れていたのではと思われます。 そうすることによって、タイの子どもたちに、作品を提供することが出来た面があるのではないかと思われます。 また、当時の円谷プロは、わきが甘くなりやすい状況があったと思われます。 当時の円谷プロは、ジャンボーグA、フアイヤーマン、ウルトラマンタロウの円谷プロ10周年記念三部作の作成から、乱作時代に突入し、日本国内でのテレビ作品の制作にお金や力を使い果たしていた時期でもあります。契約内容に対する精査が行われていなかった可能性もあります。 『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』(タイではウルトラ7兄弟)当時の円谷プロの資産をふんだんに使った作品ともいえ、円谷プロはそれなりに多くのものをタイの映画産業に、タイの子供たちにと思って、技術供与したフシもあります。やはり円谷英二さんに弟子入りしていたからでしょうかね。 それから約30年経ち。この7.8年でタイから世界に発信出来る映画が出てきました。 今回の判決は、タイ映画が国内マーケットだけでなく、世界をマーケットにしだしたと考えたとき、タイ人に有利なだけの判決では、タイ映画の輸出や、映画の技術協力に不利に働く部分があると感じだしたのではないかという気がします。 円谷プロとの契約当時の海外の作品を締め出しての国内でのタイ映画育成と、現在の国内でも海外の作品としのぎを削り、その中から海外に売れる作品が出てきている状況でのタイの映画産業とは、産業の育成の方法が全く逆になる。 今回の判決がどうのとはいいませんが、この裁判を通して、日本とタイの映画産業が共に世界に羽ばたき発展できる解決をしてほしいです。 ニュースソース ウルトラマン作品、海外利用権は円谷プロに…タイ最高裁 (読売新聞 - 02月06日 19:45) 【バンコク=田原徳容】人気特撮作品「ウルトラマン」シリーズを制作した円谷プロダクション(東京)が、シリーズの海外利用権を主張するタイの映画制作会社のソンポテ会長らを相手取り、利用契約の無効などを求めた訴訟で、タイ最高裁は5日、円谷プロの著作権を全面的に認める判決を言い渡した。 最高裁は「契約書は偽造で無効」と判断、会長らに対し、1070万バーツ(約3470万円)の賠償金の支払いとウルトラマンの商業利用停止を命じた。 最高裁は、会長側の「ウルトラマンの共同創作者」との主張を退け、1976年に会長が円谷プロと締結したとされる初期9作品の譲渡などを記した契約書も、手書きであることなどを理由に偽造と断定した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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