アイデア生活館

The Wave
Adolphe William Bouguereau ( 1825-1905 )

1. ＤＮＡ指紋分析

１９８０年、イギリスの遺伝学者ジェフリ－ズによって偶然発見されたものである。
個人の識別が簡単にできるようになった。
この技術は犯罪捜査、父子鑑定、双子が一卵性かどうかや骨髄移植の可能性等に応用できる。

ＤＮＡは非常に安定な分子なので、数年前の精液のシミや歩道上で薄くなった血痕や
車のハンドルからも抽出することができる。

現在、アメリカＦＢＩでは２００２年の時点で１００万件以上のＤＮＡ指紋が蓄積されている。

ロシア革命で殺されたロマノフ一族の遺体が１９９１年に調査された。
果たして、皇帝以下、皇后、息子、娘達のＤＮＡが一致した。
しかし、皇女アナスタシア（１７歳）の遺体は、存在しなかった。

ところが、１９２０年にアンナ・アンダ－ソンという人物が、
自分がアナスタシアだと言い始め、彼女をテ－マとする本が書かれ、
映画も制作された。１９８４年アンダ－ソンが死んだ後も論争は続いたが
彼女が腸の手術を受けた時の試料が保管されており、
鑑定の結果、ロマノフとは全く関係ない人物であった。


２. ところで米英では、ＤＮＡによる父子関係の鑑定が
昼間のワイドショ－になっている。
父子鑑定を請け負う会社が繁盛しているのだ。
「　お父さんはだれ　」
この宣伝文句が結構受けているらしい。

男と女の悲喜こもごもの温度差が、テレビの前の視聴者の
人気を沸騰させている。

３.　有名人の父子鑑定の一例をあげる。

アメリカ合衆国・３代大統領　トマス・ジェファソン
アメリカ独立宣言の起草者であり、建国の父であるが
彼が使っていた奴隷サリ－・ヘミングスの父ではないかとの
疑惑があった。鑑定の結果、子孫は、親族関係にあるものとされた。

テニスプレ－ヤ－のベッカ－は、ロシア人モデルとの子供を
自分の子ではないと拒否していたが、結局は養育費を払う結果となった。

北朝鮮の拉致事件で、横田めぐみさんのＤＮＡ鑑定で、
北朝鮮の偽の骨が明らかになったのも、つい最近の事である。
「甘く見てはいけないＤＮＡ指紋分析」と
北朝鮮側に言いたいところだ。

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