カテゴリ:囲碁~碁界一般編
仲邑菫女流棋聖が生まれ、小中学生の棋士の活躍が目立つようになってきました。
それはめでたいのですが、一方で気になる現象があります。 以前この記事でも書きましたが、年少者をプロ棋士にする以上、棋院は若年棋士を保護する責務を負っていると解釈すべきです。 プロ棋士だからと言って、囲碁のために義務教育に属する基本的な学業をないがしろにさせるような対応は許されないという認識を持たれる必要があります。 棋士になったところで、碁盤の外では社会人です。義務教育すら受けていない社会人は、本人の福祉を害する危険が非常に高まります。 万一棋士を辞めざるを得ない状態になったときなど、ますます危ないです。 ところが、年少棋士でも、対局は平日、それも午前中から行われているケースが多いのです。 (開校記念日の類で休みという可能性もなくはないのでしょうが、全部とは思えない) つまり、彼らは学校を休んで対局に出てきているとしか考えられないのです。 本来であれば、土日祝日や、平日に行う場合でも学校の夏休みなどの長期休暇などに対局を実施すべきです。 自分としては、木曜日(予備的に月曜日)に一斉に対局を行う旧来の慣習を続けてしまっているのではないかと推測しますが、はっきり言ってこれはいただけません。 一斉対局システム自体は、スタッフや会場の準備などである程度合理的な面もあると思いますが、一斉対局日でなければ対局ができないというものではありません。 要は、一斉対局日を増やすか、既存の一斉対局日を移動させようと言う話なのです。 もちろん、イベント対局などに伴う会場の都合とか、勝ちまくっていて対局スケジュールが逼迫せざるを得ないので、どうしても平日のこの日でないと…と言うケースがあり得ないわけではないと思います。 どれくらい勝ち上がるか読み切れず、かなり前から対局会場(宿泊施設とか)の準備やスタッフの調整をしなければならないので、結果的に休んでもらわざるを得ないケースがあり得ない…とまでは言いません。 女流タイトルを取るまでになった仲邑三段の挑戦手合などはまさにそうでしょう。(通常対局はどうかと思いますが) 子役芸能人なんかも、そういう事情で学校の休みを取るケースが生じています。 撮影のためにはスタッフや俳優の多数が特定の日に集まらなければいけないわけで、どうしても休日に調整するのが無理…というのは、仕方ないと認知されているわけです。 しかし、予選Cなど、まさか個別の対局についてスポンサーが日時を決めているとは思えず、対局日時の曜日レベルでの調整が問題なくできると考えられる対局なのに、その調整を全く行わないまま旧来の棋院の慣習を押しつけるようなやり方は、考え物どころでは済みません。 一般の棋士の方々も、土日は普及などの他の仕事があるのに対局を入れないで欲しい…と言うこともあるのかも知れませんが、児童福祉という視点からは、それは甘受すべきものだと考えます。 そもそも、土日に挑戦手合が行われている場合の立会人や解説者とかだっているわけで、土日に公務が入るのがさして困るとも思えません。 年少棋士に英才教育を施すという思想を持つのは結構ですが、だからこそ求められる年少者への配慮に、棋院は無頓着でいるべきではありません。 多くの門下生を取って若手プロを輩出している棋士の皆さんが音頭を取って、「年少棋士に対する配慮」としての土日祝日対局の導入をするよう働きかけて欲しいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年03月01日 11時02分49秒
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