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カテゴリ:よもやま(その他)
湯島の「鳥栄」という店で、鶏鍋をいただく機会を得た。
一度は行ってみたいと思っていた店だ。 予約が取りにくいとは聞いていたが、今回も3月のはじめに電話がつながりにくい中、予約し てくれたらしい。 銀座線の上野広小路から歩いて10分弱のところにそのお店はあった。 「ご休憩」と掲げられていても中に入ると休憩することにならない大人の建物が立ち並ぶ中、 一軒だけ趣の異なる日本家屋が建っている。 店に入ると二階に案内された。 鍋の火元は炭であった。部屋に入るとさっそく炭がくべられた。 炭はなかなかの火力で、部屋の中がかなり暑くなる。 部屋にクーラーはなく団扇が用意されているが、窓から少し風をいれないとたまらない。 まずは鶏肉の盛り合わせ。これを透明なスープにさっと潜らせるくらいでいただく。 鶏肉のほかには豆腐とネギのみ。実シンプルである。 鶏肉をポン酢につけて食べるのはよくあるスタイルだが、この店は、大根おろしにお好みで山 椒をふりかけていただく。初めての食べ方だったが、山椒がきいてうまかった。 鶏肉を食べている間、階下からはトントントンという軽快な音が聞こえてくる。 店に連れてきてくれた人によると、つくねを作っているのだという。 鶏肉を食べたあとはスープ、その次がそのつくねだった。 真ん中に卵の黄身をおとしたつくねが、大きな器に盛られて出てきた。 黄身とつくねをよく混ぜ合わせてから、すこしずつすくって鍋の中に入れていく。 ふわふわした触感で、これも美味しかった。 あとはご飯と漬物が出てきておわり。 ご飯もおいしかった。 まずご飯と漬物で一杯。次にご飯にスープをかけ、塩をかるくふって二杯目。さらに大根おろ しをご飯にかけ、その上からスープをかけて三杯目。 デザートなどはない。 いたってシンプルな鍋、シンプルなコース。 100年くらい歴史があるそうだが、ずっとこのスタイルだったのだろう。 予約が取りにくいくらい繁盛しているらしいが、確かにうまかった。 ただ、私のようなげせわな人間は、ちょっと物足らない気がしないでもない。 かつて京都の鳥彌三(とりやさ)で食べた白濁の鶏スープ鍋の方が、私は好きだなあ。 鶏鍋といっても両者趣が違うので、違う料理と思った方がよいかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.24 10:43:52
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