<女子ゴルフ>横峯さくら、プロ3年目で公式戦初制覇
女子ゴルフのLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎CC=6445ヤード、パー72)は最終日の26日、首位タイスタートの横峯さくらが6バーディー、1ボギーの67で回り、通算277の11アンダーで今季3勝目、優勝賞金1500万円を獲得した。横峯はプロ3年目で公式戦初制覇、3年間のシード権を手にした。諸見里しのぶは13番まで1打差でついていったが、連続ボギー、トリプルボギーと大きく崩れて、67で回った宮里藍らと並んで2位タイ。大山志保は前半で4連続ボギーとスコアを崩して5位タイに終わった。今季の全日程が終了し、年間5勝の大山が史上最高の1億6629万円を獲得して賞金女王に輝いた。 ▽横峯さくら (メジャー初制覇)率直にうれしい。18番でグリーンに乗ってから安心できた。今年は技術的、メンタル的にも成長できた年だった。 ▽諸見里しのぶ (トリプルボギーの)17番がなければ90点以上のゴルフだったけど。前半、いい流れで楽しく回れたけど......。 ▽宮里藍 スコアを気にせずに楽しんで回りたいと思っていたので、締めくくりとしてはいいラウンドだった。今年はあっという間の1年でした。日本に帰ってきて、アメリカでやってきたことを証明できたと思います。 ▽大山志保 スコアを伸ばせなかったのがすごく残念。最初にボギーがきてガクッときてしまった。来年は、1回だけアメリカに挑戦したい。1回だけですよ。それでダメだったら日本です。 ◇「すごいよ」...横峯の父、実力認める 18番のグリーン上で優勝インタビューを受ける横峯。その娘を横目に見ながら、キャディーを務めた父良郎氏がしみじみと語った。「この1年で成長したよ。すごいよ」。普段のけんか口調とは違って、娘の実力を認めた父親の言葉だった。 同じ20歳の諸見里と同組の首位スタート。1番、50センチのバーディーチャンスにつけた諸見里に対し、横峯は奥のカラーから約10メートル。これを横峯はガツンとねじ込んで先制パンチ。9番ロングでは、第1打が右ラフへ。先に打った諸見里が刻んだのを見て、良郎氏が差し出したのは5番ウッド。しかし、横峯はドライバーに持ち替えた。「芝目がすごくよかった。状況判断ができていた」と横峯。球は花道を転がって2オン。 良郎氏が最も喜んだのが13番。横峯は諸見里の食い下がりと、父の小言が加わってイライラしていた。案の定、第1打は右のバンカー。短気を出して崩れる悪いパターンにはまりかけた。このホールを何とかパーセーブでしのいだ後、「一人でイライラしてボギーだったら並んでいたぞ」の父の一言で目が覚めた。 プロ3年目の今季は7月までに目標の2勝を挙げた。だが、その後はモチベーションを欠いて、なかなか上位に食い込めなかった。その間、米ツアーから帰国した宮里が女子プロ選手権で優勝。「日本の女子プロは何をやっているんだと思われたくなかった」と横峯。メジャー大会で宮里、同い年の諸見里に7打差をつけての初優勝。来年は「主役」という意気込みが伝わってきた1日だった