<サッカー日本代表>悔まれる準備不足 対クロアチア
<サッカー日本代表>悔まれる準備不足 対クロアチア サッカー・ワールドカップ(W杯)1次リーグF組で日本はクロアチアと0-0で引き分けた。 善戦と片付けてしまうには、惜しい引き分けだった。中田英は「勝てるチャンスは十分にあったと思うが、大きなマイナス2点と思っている」と振り返った。川口がPKを止め、相手の決定的なシュートもバーがはじいた。これ以上ない幸運に恵まれながら、勝ち点3を引き寄せることはできなかった。 勝ち点3を狙った試合だった。日本はこの試合、4・4・2で挑んだ。3バックより、4バックの方が中盤が手厚くなり、攻撃的な布陣だ。 ただ変更は選手にとって難しいものだった。5月17日に福島で合宿を開始して以降、このシステムはまったくと言っていいほど練習していない。中田英は「前半は日本のリズムでボール回しができた」と振り返ったが、一方でパスの出し手が受け手を探す場面が見られたり、日本が得意とする速いパス回しも多くはなかった。 守りにも不安があった。3バックでは両脇にもDFがいて、中央の宮本はカバーリングする役目が多い。しかし4バックとなると、宮本が直接、相手と対じする場面が増える。前半21分には、プルショを倒してPKを献上。体格差をカバーしようと無理をした。 ジーコ監督は3バック、4バックの両システムを柔軟に使い分けてほしいと願っていたに違いない。事実、プレッシャーのかからない親善試合では無難にこなしてきた。しかし、ここはW杯の舞台。戦い方を周到に準備してこそ、勝利の女神はほほ笑んでくれる。 初戦のオーストラリア戦猛暑の消耗戦で、ジーコ監督のいう「強い気持ち」で何とか接戦に持ち込んだ。しかし、戦い方の準備なり、方向性をもう少し詰めておくべきではなかったか。その準備不足が悔やまれる。