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いぐままのモロッコPetitコラム

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いぐまま7163

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2007年05月09日
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去年里帰りした時、何年かぶりにFESを訪れました。世界有数の迷路の町は、今も変わらず独特の活気と雑踏に満ちています。すれ違いの人に触れざるを得ないほどの狭く入りこんだ路地を入っていくと、古ぼけた扉があって、中に入ると、薄暗い日の明かりの入る広々とした空間に、床から壁から天井にいたるまでの見事な絨毯の間。
モロッコ絨毯は一つ一つが職人による丁寧な手織りなので、同じモチーフの絨毯は二つとあり得ませんし、物価の安いこの国で、絨毯の値段だけは結構なものです。いくら腕の良い職人さんでも、一枚を織り上げるのに何ヶ月もかかるのですから。モロッコの人が日常生活に使っている絨毯のほとんどは大量生産のものですが、中には今でも趣味で絨毯を手織りしまうお婆ちゃんもいるのです。
 モロッコ絨毯にはオリエンタル様式とベルベル様式があります。模様のきめ細かさと仕上がりの光沢度等を比べると、どうしても絹織りのペルシア絨毯に引け目を感じてしまうモロッコのオリエンタル絨毯。引き換え、より観光客受けしているのが、独特な幾何学文様モチーフが決めてのベルベル絨毯。ベルベル絨毯のほとんどは山地に住む職人の手によるもので、大幅なデザインの特徴は産地別。羊毛100パーセントをベースにヤギやラクダの毛を織り込んだものもあり、これまた一味違う手触りに。私が一番お気に入りだったのは(もちろん高くて買えなかったんだけど)、高アトラス山脈に住む女性職人の織り上げた絨毯。来る日も来る日も丸一日機織りに腰掛けて、織り上げていく一目一目が彼女たちの対話。一枚の絨毯の中に、ひとつとして同じ模様がないのは当たり前。悲しそうな模様、嬉しそうな模様、形にならない言霊たちを絨毯の中に織り込んで暮らす・・・・そんな人生もあるものかと、心に響くものがありました。





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最終更新日  2007年05月10日 18時17分56秒
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