いいひとあっちゃんの「デジタル幻想」余話 No.003
################################## いいひとあっちゃんの「デジタル幻想」余話 No.003 20:52 2004/09/05 ##################################▼空梅雨気味に早めの夏が到来し、それがまた、連続真夏日記録を更新するという、猛暑に次ぐ猛暑の毎日の、今夏でありました。そして、やっと少し涼しくなったかな、と思うと、今度は毎週の台風上陸。どうも、天気のめぐり合わせが、ドラスティックな気がしてなりません。▼さて、今回は「アクティブ」と「パッシブ」という話題を考えてみよう、と思います。▼つい先日ですが、3年ほど使った、IBM APTIVA のハードディスクが、読み取りが不安定になって、ついには読めなくなってしまいましたので、しかたなく、ホワイトボックスの安いマシンを買いましたが、周辺機器はそのまま使えるはずだろう、と前のPCのものを流用したのです。マウスやキーボードや液晶ディスプレイはまったく問題ないのですが、音が全然、でません。いろいろ調整をしたのですがウンともスンとも言わないのです。(ところで、ウンともスンとも、のウンって何?スンって何だろうかしら。 ・・・誰か博学な方、教えてくださいな・・・)▼結局、判明したのは、前のPCについていたのは、「パッシブ」スピーカで、新しい安価PCでは、「アクティブ」スピーカでないと音を鳴らせない、ということがわかったのです。早い話、受けた音声信号を自分で増幅するのか(アクティブスピーカです)増幅された音声信号をもらって、そのまま鳴らすのか(パッシブスピーカ)の違いですね。安いPCでは、最低限の機能しか付いてないわけですよね。仕方なしに、アクティブスピーカを買ってきてPCにつなぎ、ようやく音が出るようになりました。まあ、スピーカは「アクティブ」「パッシブ」違いがあっても、その程度なのですが、最近、少し、気になることがあります。▼RFID というモノをお聞きになったこと、ありますか?Radio Frequency Identification つまり、無線による個体認識というやつです。無線ICカード、といってもいいです。JRのSUICAカードや、最近のクレジットカードがICカード対応になってきていますね。要するに電波で交信することによって、個々を識別しよう、という様々のしかけです。▼渡り鳥やクジラなんかに無線発信するタグをつけてやって、どんな風に回遊するのか電波を受信して追跡記録してやろう、というのも、同じ原理です。ただ、両者で大きく違うことがあります。クジラにつけるのは、「アクティブ」発信機 :つまり自分自身が発信する仕掛けであるのに対して、ICカードや、SUICA は、今のところ「パッシブ」です。つまり、自分では、発信しない。読み取り側の機械があって、初めて情報が読み取られるわけです。▼・・・そうですよね。クレジットカードが、自分で、「私のIDは、××で残高はいくらで・・・」などと、発信しているようだったら、大変ですよね。でも、これから、技術がさらに進んでいくと、携帯電話にクレジットカード機能が付いていったりするはずですが、自分で情報を発信するか、情報を、ある環境下において読み取りされる仕組みなのかは、別としても、そういうリスク(つまり、知らないうちに、大事な情報が読み取られてしまうことがないようにしないといけない)が付き纏うようになってきます。▼身近なところでは、すでに、GPS携帯がありますよね。携帯電話は、常にどこにいても繋がるために、常に、自分の現在いる場所を発信しています。着信があったとき一番近いアンテナから繋がるようにする仕組みですが、これを利用して、「いまどこサービス」とか、「幼児や徘徊老人に持たせて現在どこにいるかを探知するシステム」です。あの、データがすべて「記録」されていたら、ちょっと怖いかな、とは思いませんか?▼仕組みが似ているようで、実は、パッシブとアクティブが、反対なのが、最近の車には、どんどん搭載されてきている「カーナビシステム」でして、これは、自分が電波を発信するのではなく、宇宙に何十個も飛んでいるGPS衛星から電波を受信して自分が今どこを走っているか地図上に示してくれる仕組みです。3個の衛星から電波を受けると、今の技術では、数メートル以下の単位で、位置特定ができるようです。▼・・・どうも、話が複雑になってきましたね。実は、「アクティブ」でも「パッシブ」でも、どちらが良いとか悪い、とかいうことを言いたかったのではなくて、知らないうちに、情報を発信していたり、読み取られていたりすることについて、もっと、敏感にならないといけなくなってきそうな気配を感じますよね、・・・ということを、書きたかったのです。▼ある日、突然、「あなた、昨日の晩、東京にいませんでしたね。」とか、「あなたは、今朝、○○という店で、××を買ったようですけど・・・」、などというようなことを、まったく見知らぬヒトから声かけられたとしたらどうします?▼自分から個人情報を発信する仕組みではないから大丈夫、・・・ということは完璧にはありえないのです。技術を「悪用」する輩がいれば、情報を掬い取ってしまうことが、できてしまう危険がアチコチいっぱいなのです。まだ今のところ、そんな無法な事態になっている状況ではないようですが、環境問題の草の根運動推進とともに、個人情報の保護については、もう少し私たちも気をつけていきたいものだと思います。▼ただ、最後に申し添えますが、RFIDや無線ICカードの技術は、上手に、しかも、安全・安心に使うようにしていけば、実は大変便利なものです。私たちの暮らしのレベルや便利さの向上には、必ず貢献するのは明らかです。要するに、むやみに怖がったり危ないものと決め付けず、「わけがわかったうえで」よく見守りながら手の内にしていきたいものだ、と思うわけです。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~・・・「能動」「受動」みたいな話から、個人情報セキュリティの話に飛んでしまいました。ほんとうは、「アクティブ」「パッシブ」両方の機能を具有しないと、ネットの情報交流が成り立ちませんよね、ということも書きたかったのです。要するに「ネット社会での情報キャッチボールをどう継続・発展させるか」ということを触れるつもりでした。違う話になってしまいました。長くなったので、また、来週続きを、ということにしたいと思います。▼では、今日は、以上のようなことで、・・・また。