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今が生死

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2014.04.14
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カテゴリ:仕事
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家内が20年以上毎年咲かせているクンシラン( 君子蘭)です。私も冬になると家の中に入れるのくらい手伝いますが他は何もしません。冬の間、花の咲いていないときは部屋をふさぎ廊下の通り道で邪魔になり、疎ましく思いますがきれいな花を咲かせると感銘を受けます。

7年前93歳の女性が心不全で救急車で運ばれてきた。ご高齢で腎機能も悪く、両肺も真っ白で助かる見込みはないと思った。肺にたまった水を取るために利尿剤を使ったが効果はそれほど期待できないと思っていた。ところが少しずつ水が抜けて肺が次第に見えるようになってきて呼吸も楽になり快方に向かい退院した。その後大腿骨頸部骨折や膝の骨を骨折したりして入院したこともあるが、最近は車いすで外来通院していた。

娘さんがおり、7年前の瀕死の状態の時から骨折した時、そして最近少しむくみが出てきた時まで変わりなく、ずっと面倒を見てきた。そして今度100歳を迎えて、その娘さんから「あの時助けて頂いたからここまで来れた」との感謝のお手紙を頂いた。私からみれば娘さんがずっとお母さんを大事にみてきたからここまで来れたと思うので娘さんこそ第一の功労者だと思っているが、娘さんは小生のおかげだと書いてくださった。正直私は全く大したことはしていない。利尿剤を使っただけで、それは誰でもすることで、特に私だったからということは全くない。

大変恐縮したが、そのように感謝していただいてうれしかった。医者冥利に尽きると思った。と言うのは連日様々な重症患者さんを抱え、90歳とか98歳とかご高齢の患者さんが多く、神経をすり減らして心を砕いてもよくなる気配はなく、だんだん悪くなって行くばかりである。それにつれて自分の心も重くなる。そのような毎日の中で、93歳で亡くなりそうだった方がだれのせいだかわからないが、100歳まで生きたと言うことはめでたいしうれしいからである。実際は本人の生命力で医者の力等はほとんど影響していないと思うが、日々の重苦しい気分の中でたまに、おかげさまでこんなに元気にしていますと言われると心が晴れてうれしくなるものである。

人生はつらいことが100あって、その中に一つよいことがあるものだと聞いたことがあるが、実際はつらいことばかりが人生だと思う。その中にたまにうれしいこともある。まあそういうこともなければ人生やっていけないかもしれない。






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Last updated  2014.04.14 23:38:13
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