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テーマ:戦死した家族への想い(1)
カテゴリ:読書
昭和風雲録の著者満田巌氏の未亡人満田道子さんの歌集「わかれ霜」に載っていた歌である。忘れ形見の息子が大学を卒業した時詠まれたのだと思う。巌氏は昭和19年に30歳で北支に出征し1か月後戦病死した。息子は当時1歳半で父親は知らない。その息子が立派に成人し、大学まで卒業できた喜びを亡き夫と分かち合いたかったという悲痛な気持が伝わってきた。「わかれ霜」には7年間一緒に暮らした夫への思いが切々と読まれた歌が多く、感動する。
あとがきに「非戦への願いをこめてこの歌集を霊前に捧げることが出来ますことを喜びといたします」とあった。戦争は再びあってはならないがその戦争での尊き犠牲者のことは決して忘れてはならないと思う。戦争で敗れたとはいえ国民の勤勉努力で今日の繁栄を築き上げたがその復興の原動力として人種差別主義の欧米列強に一歩も引かないで果敢に戦った戦死者たちの気迫も忘れてはならないと思う。 戦争に敗れて連合国から「日本は悪だ」とレッテルを張られ、懺悔の日々を送るように強いられ教育もそのようになされてきた。戦死者は間違った指導者に扇動されて哀れにも命を落とした可哀そうな犠牲者であるように教育されてきた。 しかし満田巌氏の「昭和風雲録」を読むと大戦前までの日本の実情がよくわかる。大正10年のワシントン会議は表向きは「世界の平和」「人類の福祉に貢献」としているが米英の優越維持と他国 中でも日本の抑圧を意味するもので支那の排日運動をもたらすものとなった。昭和の前半はアジア人である日本を蔑視し、嫌がらせの数々を繰り返す欧米列強に対する怒りが渦巻いており、5・15事件や2.26事件はそのような時代背景に関連して起こった事件とも考えられる。戦勝国の教育では戦死者は誤った指導者の下での犬死のように扱われているが、本当は日本のために勇敢に戦った誇るべき戦士たちなのだ。心から感謝し敬うべきだと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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