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テーマ:願い事(165)
カテゴリ:読書
庭に咲いていたブルンネラ
今「灯台からの響き」を読んでいるがその中に妻に死なれた読書好きの中華そば店店主康平が読み始めた「神の歴史」という本の話が出てくる。カレン・アームストロングという修道女をしていたことのある女性が書いた本で、ユダヤ・キリスト・イスラム教の歴史を公平な目で書いており欧米ではベストセラーになった本とのことである。康平はその本の冒頭に「交尾の後には全ての動物は悲し」と書かれていたことに衝撃を受け、一緒に灯台周りの旅をした息子の賢策にその話をしている下りがある。私もその本を読んでみたいと思うがまだ読んでいないので灯台からの響きの作者の解説で考え論説してみたいと思う。 交尾の後には・・・の意味は「緊張したそして熱烈に待望した瞬間が過ぎた後には我々はしばしば端的に我々の把握を超えた何か偉大なものを失ってしまったと感ずるものだ」と息子に説明していたが19歳で橋の建設技師を目指している大学1年の賢策に分かったかどうかは分からない。私も本全体を読んでいないので軽薄なことは言えないが今の時点で感じたことを述べてみたいと思う。 カマキリのオスは交尾の後メスカマキリに食べられてしまうので「オスは悲し」なら話は分かるがこれを書いたのは女性である。メスも悲しいのかと疑問に思った。新しい生命の種を授けられ「悲し」ではなく喜びを感ずるのではないかと思った。これは比喩的表現で「渇望していたことが叶った後には何かを失ったみたいでさみしく悲しいものだ」と言いたかったのかもしれない。そこを起点にして各宗教の誕生から変遷を述べたかったのかもしれない。 それは兎も角、念願かなった後の一般的な感情は如何なものであろうか? 嬉しいし満足感を味わうのではないかと思う。それまでずっと願ってきたことが成就して寂しさ悲しさも感ずるかもしれないがそれより喜びの方が大きいように思う。有頂天になって自分を忘れてしまう人もいるかもしれないがそれをバネにして新たな挑戦に向かっていく人もいる。 「神の歴史」の著者は「待望していた願いが叶うと悲しい」というのは「願いと言うものは叶うものではない、叶わないから努力を続けて行けるのだ」と言いたかったのかもしれない。人々は様々な願いを持っている。そしてその願いを叶えようと様々な宗教に帰依していく。しかしその願いは永久に叶えられなくてそれを願っていく人生過程で自分を成長させていくものが宗教ですよと言いたかったのかもしれない。東洋には願いは必ず叶うという宗教もある。宗教の根の深さは計り知れないと思うが是非この本を読んで宗教の一部を学んでいきたいと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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