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テーマ:アフリカ生活(205)
カテゴリ:読書
今バラク・オバマ元アメリカ大統領が若い頃書いた「父からの夢」を読んでいる。もう何年も前から読み始めたのに時間がなくてまだ読み切っていないが、全体で442ページあるうち416ページまでは読んだ。
今読んでいる所はオバマさんが自分のルーツを求めてアフリカのケニアに渡り、父のことやお祖父さんのことを聞き取りしている所である。お祖父さんのオンヤンゴが青年時代に白人達がアフリカの地にやってきて勝手に住居税を黒人に請求してそのお金は白人の貨幣で支払わなければならず、白人達が切り開いた農場で働いて得たお金で住民税を払うシステムを押し付けられた。 村人たちの多くはは白人を避けていたが、オンヤンゴは積極的に白人の家に入って食事とか農作業を行って白人から報酬を貰って西洋化した生活を送っていた。サラ(女)、バラク(オバマさんの父)、アウマ(女)の3人の子供が生まれたが奥さんはアウマが生まれた時その子を背負って家を出て、実家に帰り別の男と結婚した。 サラ(12才)とバラク(8才)もそれから数日後家を出て母親の実家を目指すが距離がかなりあるので2週間歩いたが実家に到達できずオンヤンゴの家に戻され、実の母ではないオンヤンゴの別の妻に育てられることになる。 当事のアフリカは夫の妻への暴力は日常茶飯事だったが、オンヤンゴは特にひどくて奥さんは嫌になって家出してしまったのである。いう事をきかなければ直ぐ殴るので誰でも嫌になったと思う。 オンヤンゴは家庭では暴君だったが、社会的には西洋社会から逃れるのでなく積極的に入り込んで行く才気があって頭が良く地域でも一目置かれていた。その子であるバラクも頭が良くて学校の先生よりよくできて先生の誤りを指摘するくらいだった。後に成人して奨学金を貰ってアメリカのハワイ大学に留学できたのは学業が優秀だったからと思われた。ハワイ大学の白人女性と結婚して生まれたのがバラク・オバマさんである。 2世代、3世代前のアフリカ社会を実に細やかに描写しており、ベストセラーになった本である。今は西洋化されてアフリカもかなり変わってきていると思われるが、オンヤンゴの頃は女性の教育は全く無視され、バラクは教育を受けたがサラは受けられなかった。夫の暴力も当たり前のこととして受け入れられていて、オンヤンゴの妻は家出したが、大半の女性は我慢して暮らしていた。女は無能で牛や馬のように叩かなければ動かないと思われていたようだ。 日本でも昔は男尊女卑、夫の暴力があったがこれほどではなかったと思われる。バラク・オバマさんがアフリカを訪れた時には祖父の時代からみるとかなり変わり、オバマさんの腹違いの妹も大学まで行っているがまだまだ女性の地位は低いようだ。 それぞれの地域や国によって歴史や文化は異なるが、同じ人間として男は女を、女は男を尊敬し大事にしていく社会を目指してもらいたいものだと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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