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テーマ:△嫉妬(しっと)▼(15)
カテゴリ:政治
コスモス(秋桜)が咲きました
昨日の新聞で山本圭 立命館大学准教授が民主主義のあるべき姿を構築するには嫉妬感情を掘り下げる必要があると述べており、興味があったので紹介させていただく。 アリストテレスは人間は誰に対しても嫉妬するのでなく、近しい人に嫉妬心を抱くとしており、どこかの大富豪をねたむことは少なく、自分より少しだけ待遇良くされている隣人をねたむ。嫉妬感情は比較可能の者同士の間に生まれ、自分より優れた他者と比較してねたむ上方嫉妬はよく見られる。これに反して自分より劣位にある人と比較して抱く下方嫉妬もある。生活保護受給者に対する過剰なバッシングはこれにあたり、今朝の新聞に優生保護法下で強制赴任手術を受けた人に1500万円その配偶者にも500万円の賠償金を答申との記事が出ていたが被害者を気の毒と思う反面その賠償額に対し、自分の損得には影響ないのに他人が利益を得ることに下方嫉妬を感ずることがある。 民主主義では平等が中心的な価値になるが、完全な平等というのはありえず、少なからずの差異が生じてその差に比較が生じ、嫉妬感情が膨らんでくる。嫉妬は民主的な社会で不可避な感情であり、どうにかなくそうとするよりも、どのように付き合うかを考えるのがより現実的な対応と言える。 上記生活保護や賠償金の問題にしても社会保障の充実は社会全体の福利を向上させる望ましいものなのに、自分は苦労して働いているのに働かないでお金を貰っている弱い立場の人々に嫉妬心が向けられることがある。社会保障関係の法制化では十分留意しなければならない問題と思われた。 山本先生は嫉妬心の研究の第一人者だが、私たち一人一人も自分の心に聞けばしばしば嫉妬心を感じており、皆さんも専門家と言えるのではないかと思う。山本先生の言葉によると、それを無くそうと無駄な努力をするのでなく、上手に付き合い、上から眺め降ろす態度がよろしいのかなと思われた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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