カテゴリ:中国とベトナム
何かやってしまった時、確かに隠したくなっちゃいますよね。でも、これを国レベルでやると、問題も大きくなります。
一つは、こちらは大きく報道されたので皆様ご存知と思われる、中国でのオリンピック開会式における、様々な疑惑。そんなことしなくても、十分に立派だと思える開会式だったのに、完璧以上を誰かが求めてしまったのか、誰かがやろうと思ってしまったのか。けどそれらはオリンピックの閉幕を待つどころか、開会式数日後にはもうばれてしまいました。
もう一つは、こちらはそれ程は報道されていないでしょうか、ベトナムでの疑惑。こちらの方が犯罪性は強いのですが、日本のコンサルタント会社であるPCIがホーチミン人民委員会の人間に賄賂を渡し、ODA案件受注をしていたという疑惑。既に疑惑を通り越しつつあり、日本ではPCI関係者が逮捕もされています。 この件に関してやっと出たベトナムの公式な反応は、外務次官(副大臣)からでした。「捜査には協力する。ただ、メディアは客観的な情報のみ報道して欲しい、それ以外の報道は両国にとって良いことではない」。これは、どこが客観的な報道で、どこがそうでないかを明らかにしないままの要請で、まずそれ以前にベトナムの新聞はこの話題を、ほとんど日本の新聞報道を引用する形でしか伝えていません。
両者(両国)の態度に共通して思えるのは、「まだこの両国は情報統制ができていた時代の余韻に浸っているのだなあ」というものです。恐らく、10、20年前、特にネットや携帯のなかった時代には、このやり方でも通用したように思います。「国家機密」とラベルを貼っておけば、かなりの情報は守れていたのかもしれませんし、仮に漏れてもその漏れ具合はたかが知れていたのかもしれません。 ただ、現代は情報がデジタル化して自己増殖する世の中です。だから、本当にパーフェクトに情報を統制しないと、逆に言えば0.001%でも漏れれば、それですぐに終わりになってしまう(皆が知るところとなってしまう)ということなのでしょう。ベトナムの例はともあれ、中国の開会式でのそういった「工作」がこれほど簡単に、短期間に漏れたのをみて、特に強く感じた次第です。
どこの国にも国家機密はあるのでしょうから、ある程度はこれからも隠すこと、隠すべきことというのはあるのでしょう。だけれども、どちらの国も時代の変化を考えて、その情報統制に使う国家予算や人員を、早く問題解決するほうに使ってくれるようにならないかなあと願います。相当統制しても、やっぱりばれちゃう時代なのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月17日 17時48分41秒
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