王様のいる国で考えたこと
タイは大変敬虔な仏教国として知られていますが、また王室が尊敬を集めている国でもあります。日本にも皇室がありますが、その意味合いはだいぶ違うようで、自分にもまだしっかりと理解はできません。町中には王様始め様々な王族の写真が掲げられ、毎晩8時には「王族ニュース」が放映されています。反面不敬罪なんていう罪も存在し、王室への悪口は厳しく取り締まられるそうです。 バンコクで働いている方に聞いたところ、タイ憲法では基本的に王様は政治に介入しないことが謳われているそうですが、同時に「緊急の際は」王様が介入することも許しています。実際に現在も続いているタクシン首相と野党民主党の対立に始まるタイ政治の混沌の中でも、王様がスピーチなどを通して野党のボイコットした選挙の正当性について疑問を投げかけたりと、国の緊急事態には大胆に介入をしているようです。 ネパールも王国のようですが、こちらでは王族への反感から反王政武装闘争が起きたり、王様が議会を4年間も解散したことが大規模な抗議活動を誘発したりと、王様の介入(とその失敗)が政治の混乱を招いているようです。反面、タイの王様も過剰な介入には慎重な態度を取っているとのこと。政府、議会、軍などの様々な政治アクターの中に王室が加わる国々は、まただいぶ違った政治、社会の様相が見られますね。