床屋へ行ってきました。
うちから片道40km離れた桜で全国的に有名な高遠町の床屋へ。
カットが終わるとお昼ご飯をごちそうになりました。
いつも私の散髪に家族で行って、お昼ご飯か晩ご飯を御馳走になって帰ってきます。
この日の献立は信州名物五平餅。
ネギ味噌か山椒味噌をつけた五平餅を炭火であぶって頂きます。
私たちの田舎暮らしは、今からちょうど11年前にこの高遠町で始まりました。
築20年ほどの農家の一軒家を借りて・・・
そのとき近所にあった床屋さんに大変お世話になりました。
田舎のことを何も知らない私たちを優しく受け入れてもらい、一から十まで色々なことを教えてもらいました。
私たちが住んでいたのは山あいの小さな部落で典型的な日本の田舎の風景でしたが、そこから念願の日本アルプスを見ることはできませんでした。
高遠で2年ほど暮らした頃、私たちは現在住んでいる土地と巡り会いました。
眼前に南アルプスの峰々が連なり、背後には中央アルプスが大迫力で迫る土地でした。
一目惚れです。
「家を建てるのはここしかない」と確信しました。
でも、床屋さんにはどうしても言い出せませんでした。
こんなによくしてもらっているのに、明らかに裏切行為です。
それでも、いつまでも黙っているわけにはいきません。
ある日、意を決して打ち明けました。
「実は、○○町に家を建てることにしました」
どれだけ、けなされても、非難されても仕方がないと覚悟していました。
「よかったねぇ」
床屋さんの口から出た意外な言葉に我が耳を疑いました。
同時に涙が出そうになりました。いや、半泣きでした。
この日のことは一生忘れないでしょう。
今の土地にログハウスを建てて、いよいよ高遠を離れる時には、近所の人を集めて送別会まで開いてもらったりして・・・
床屋さんに限らず、高遠の近所の方には本当に恩返しのしようのないほどお世話になりました。
あれから7年。
今でも高遠町の床屋に通っています。
往復80Km。
田舎の人の親切に感謝しながら。
そして、これからもずっと・・・
田舎暮らし応援倶楽部