これは永いこと医者をしていて、気が付いた最も簡単な方法で、もっとも有効な知恵です。
インフルエンザウイルスの性質をもう一度繰り返しましょう。
1)高湿度で失活する
2)紫外線に対して弱い
3)乾燥や低温でより長く生き残る
4)飛まつ感染する
5)咳によってインフルエンザウイルスは5メートルも飛び散る
乾燥させると一般的に言って、どんなウイルスも長く生きていられます。ウイルスは結晶としてまるで石のようになって、何年も、ひょっとすると何千年も生き延びるのではないかと思います。
でも湿気には案外弱いのです。
↓一日一回クリックしてね。これ書くはげみになりますけん。
人間の気管支などの呼吸上皮はベルベットのように、柔らかく運動する繊毛で覆われています。ただの上皮ではなく、痰や粘液を外に運ぶ役割を持った特殊に進化した上皮なのです。
そこに、うんと乾いた空気や、ほこりあるいはばい菌、強いウイルスが侵入したらどうなります?
繊毛が痛みます、やけただれたようになります。あるいは死滅します。
そうすると、運動が止まって、繊毛上皮が機能しなくなり、黄色い痰がかたまりを作ります。
朝一番に、ごろっと出る痰がそれです。
インフルエンザのような強いウイルスの時には、死滅したあと回復するのには何日もかかりますから、当然ばい菌が感染して、気管支炎や肺炎のような症状を発症してくる可能性があります。
繊毛が生えた粘膜ですから、カエルの肌のように湿っているときが一番快適です。
ですから、呼吸器が炎症を起こし始めたときには、湿った空気を吸ってやる必要があるわけです。
ためしに調子悪いときにぬれタオルで鼻と口をおおって休んでみてください。すごく楽です。
乾いた空気は、インフルエンザにかかったときはますます調子を悪くしていきます。
自分が風邪っぽいときには、いつも一晩これやって寝て、速く治すことができます。特に子供の風邪では、免疫がない分、重症になりやすいですから、少しでも楽に、軽く済ませるテクニックが必要になりますよね。
生活の知恵です。