これから、この土地のこと、生き物や人々との関わりなど思い出深いことを書き続けていきます。
--オーストラリアの田舎の青空の下--
あのときはまだ気がつかなかったのだが、普通なら○○リアルエステイト(○○不動産)といった看板がカラフルに立てられていて然りである。
売り物件なんだから、高い売り物なんだから。
んじゃが、まてよ、あれはありあわせの板に、
確かどこかで拾ってきたような、FOR SALEの張り板引っ付けただけの看板じゃなかったかぁ??
思い出すと、思い出すほどどこか変だ。
そんでもって、CALL TERRY !!と来てそのあと携帯電話の番号だった。
オイ、素人販売か?
アブネー、アブネー
それで売れ残ったってわけか?
なんとなく合点がいった。
まさか野菜の販売じゃあるまいし、自宅の販売するんに出たとこ勝負の青空市っちゅうのも腑に落ちない。
それで、知ってる弁護士に相談をかけた。
何でも、「見るんはOKだけども、絶対にサインはしちゃあいかん!」と言った。
「オーストラリアっちゅうとこは、ペテン師が多いからねー」
ってのたもうた。おいおい、大丈夫か?
家内もどこか半信半疑で、「ホント?大丈夫?」ってな感じだ。
ところが、肝心の自分のほうが、一目ぼれの、病気状態だ。
かすかに見えた敷地内の沼地がちらちらとまぶたに浮かぶ。
何本もある大きなユーカリの木も思い出す。
とにかくその田舎道のドン詰まりにあって、最も小高い位置からして、一番古くから入植した人の建物に違いない。
2軒、3軒手前のものに比べて、地勢が一番いい、日当たりも一番いい。
だめだ、こりゃ、病気だ。
自分でも分かってた。
そんでもってどうしたかって言うと、テリーってだんなに電話することに決めたんだった。