これから、不定期にこの土地のこと、生き物や人々との関わりなど思い出深いことを書き続けていきます。 時々休んだりします。
--オーストラリアの田舎の青空の下--
「ドーターズバスルームに異常な湿気あり、そのほかの基礎、内壁にはシロアリの侵入可能性は無し」
「ウンーン、これってどういう意味だろうか?」
家内と考え込んででしまった。分厚い報告書が送られてきた。
「要するに古いから、全部は保証の限りでないってことか?」
「私はあまり気に入らないの」
と家内は言う。
しかし、田舎が気に入ってきたわけだから、ぴっかぴっかのニューホームを期待していたわけではなかった。
それが自分の本心だ。
「まずいとこ手直しして住みたいな」
自分は家内に言った。数日後弁護士から電話がかかった。
「どうでしたか?天井裏は?」
「あれは相当古いですよ。気をつけたほうがいいですね、ま一応シロアリはいないってことですがね」
「値段はどんなもんでしょう?あれよりは負けられませんか?」
「もしどうしても購入して住みたいっておっしゃれば、その手直ししなければいけないとこの分を値段からさらに差し引かせてお話してあげられますが」
「おいくらくらい?」
「さらに一万ドルの半分くらいって言ってます」
すると最初に一万ドル、さらに五千ドルってわけか。
そして、私は家内と一晩中話し合って、買うことに決めたのだった。
一度決めたら、気分が楽になった。あのカルガモの雛のいる沼がある、古い木立に囲まれた自然いっぱいの田舎の家に住むことができる。
心地よい夢見つつ、眠りに落ちていったのであった。