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ニューストピックス

2006年03月16日
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カテゴリ:映画
映画「ミリオンダラー・ベイビー」、賛否両論分かれる作品、
ラストシーンだけ語っても、この映画の奥深さは味わえない、
ということでまたまた慶次の
独断専行型映画批評を披露させていただく。


05年5月の日本公開、監督は「許されざる者」(←これ良かった)や
「ミスティックリバー」(←これはカットにミステリーを感じた、評書済み
などの名作品を生み出し、今回、トレーナーとして出演している
クリント・イーストウッド(監督賞)。
主演女優はヒラリー・スワンク(アカデミー主演女優賞)、脇役を
モーガン・フリーマン(助演男優賞)が固めている。上映時間133分。




簡単なストーリーを説明しておこう、ロスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジムを営む
老トレーナー、フランキー(イーストウッド)。 ある日、31歳になる女性マギー(スワンク)が
ジムの門を叩き、フランキーに弟子入りを志願する。 13歳の時からウェイトレスで生計を
立てるなど不遇の人生を送ってきた彼女は、唯一誇れるボクシングの才能に最後の望みを
託したのだった。 ところが、そんなマギーの必死な思いにも、頑固なフランキーは、
“女性ボクサーは取らない”のひと言ですげなく追い返してしまう。
それでも諦めずジムに通い、ひとり黙々と練習を続けるマギー。
フランキーの唯一の親友スクラップ(フリーマン)はマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。
やがてマギーの執念が勝ち、フランキーはついにトレーナーを引き受ける。
彼女は素質をひたむきな努力で開花させ、連戦連勝、フランキーとマギーの間には、
ボクシングを通じてなにか特別な愛情が芽生えていた。
そして迎えた念願の世界タイトルマッチ、マギーは、その舞台で・・・。



ここまでがストーリーの流れ、珍しく気を使ってネタバレしないように書いてみた(笑)。
ではここからネタバレ込みの、独断と偏見にて映画批評をしていく。


マギーはファイトマネーをせっせと貯め、家を買うことにした、それはフランキーの

提言でもあり、マギーも納得してのことだった、しかし買ったのは田舎の母や兄弟のためであり

自分のものではなかった、これで母達は喜んでくれるだろうと思ったのだが、国を騙し

生活保護をせしめている母や姉がボクシングをやってることなどどうでもよく、金が大切と

考える妹は、マギーの好意を余計なことと一喝する。 家を持てば生活保護を打ち切られる

かもしれない、ボクシングなんてやってることは一家の恥とマギーを罵る。

「家をくれるより、現金をくれればいいのよ!」とマギーが自分の生活品すら買わずに溜め込んで

購買した家、マギーは悲しみ、それを見ているフランキーがいた。 この帰りの車の中での

フランキーとマギーの会話に、この映画を貫く大事なテーマが隠されている。

それは「信頼」、当初から「ボスの言葉は信じる」とボクシングのトレーニングに喰らいついて

行ったマギーは、いつしかフランキーに全てを委ねる、そうボクシングだけではない、

人生も信頼するフランキーに・・・。 マギーはフランキーに頼れるのはあなただけと亡き父の

面影を思いを重ねていく、そこで話されたマギーの父と飼い犬アクセルの「安楽死」、

これが表に流れるテーマとしてラストにリンクしていくのだ。

世界タイトルマッチで、マギーは相手選手の反則で頭部を強打し、寝たきりの体になってしまう。

フランキーは電話で母親に見舞いにくるように頼むが、来院したのは何日も経ってから、

それもディズニーランドに行ってから見舞いに来るのだ、さらに病室では家の抵当権を放棄しろ

とだけ求め、マギーへの心遣いは微塵もない醜さ。 ここにきてマギーはわずかに心に残していた

家族への信頼をリセットし、頼れるものはフランキーだけだと思いを強くしていくのだ。

マギーはある夜、フランキーに告げる、「亡き父が下半身不随のアクセル(犬)にしたことを

私に・・・」。 マギーにとって自分の人生、命までも委ねることが出来るのはフランキーだと、

フランキーとマギーの対話するこのシーンには、父とアクセルの話を織り交ぜながら、マギーが

フランキーの後ろに立っている「自分を愛してくれた亡父」に語りかけているようで胸を打つ。

もちろんフランキーは断る、その日からマギーは何度も舌を噛み切り死のうとするのだ。

自分の人生を終焉させることが出来るのはフランキーか自分だけだと訴えるかのように・・・。

フランキーはいつも行く教会で神父と対話する、ボクシング時代、マギーが自分に従うといいつつ、

何度も「なぜ?」と聞き返し、強い信念でマギーは結局、思い通りにしてしまう、このシーンは

何度見ても重い。 「彼女は死にたがってて、俺は彼女を守ってやりたい」

「彼女に手を貸すことは大罪、でも生かすことは殺すことだ、この矛盾の解決は?」

神父は「何もせずに身を引き、すべてを神にお任せするのだ」と答え、フランキーは

「彼女は神ではなく、俺に助けを求めてる!」と心に響く言葉を発する。

マギーは神でもなく家族でもなく、唯一フランキーだけを「信頼」していた。 その彼女の

大きな思いを、神を裏切る大罪をフランキーは受け止め切れずに森をさまようかのように

迷うのだ、しかし、スクラップに戦いたいときに戦えないことは辛いもんだ、それが

できないのは生きる屍なんだと、ボクシング時代の話を告げられ、フランキーは病室に向かう。

彼は、マギーにキスをし、現役時代にガウンに綴った「モ・クシュラ」、その意味を彼女に

初めて教える、「愛する人よ、お前は私の血」、マギーは亡き父を重ねあわせたことだろう、

そして自分が信頼した人が、自分を受け入れてくれたことへの思いで涙を流しながら、

静かにその一生を閉じる。 「安楽死」に焦点をあてすぎて、この映画の中に絶えず流れる

「信頼」というテーマを無視してはいけないと思うのだ。


ただ、この映画、暗い気分のときに見るのはお薦めしません。救いの道は無い映画ですから。


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最終更新日  2006年03月16日 17時56分17秒
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