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2008年08月08日
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カテゴリ:歴史・戦史
日米大戦において、日本はアメリカ本土の攻撃に成功している

ことを、ご存知の方は少ないかもしれない

(その前に日本と米国が戦争をしたことすら知らない人がいそうだが)

アメリカ・オレゴン州を襲った「ふ号爆弾」は地方都市の女学生

たちによってつくられた

風船の「ふ」からとられたとも言われているが、形状は気球に近い

気球の大きさは約11メートル、途中で砂袋を落下させ、高度を調節し

アメリカ本土において爆弾と焼夷弾を落下、その後、気球部分は証拠

隠滅のため自爆するという夢のような、「ふ号爆弾」であった


この気球の風船部分はなにでつくられたとお思いか?


風船だからゴムと思いきや、物資欠乏のこの次期の日本においてゴム

などぜいたく品、そこで和紙を使用したのだ

こんにゃく糊で5層に貼り合わせ強度を増した和紙を、さらに貼り

合わせ気球をつくる、気の遠くなるような工程である


この風船爆弾は、研究が始められたのは昭和8年、もともとソ連の

満州進出を防ぐために、ビラ配布用として開発されたのだが、そん

ななか、大石高層気象台長により、ジェット気流の存在が明らかに

なり、偏西風を把握し利用したアメリカ本土攻撃が可能となったのだ


この大事な大事なジェット気流は1月~3月しか吹かない、そのため

日本はこの時期に合わせて、ふ号爆弾を大量生産することに決定し

大本営命令が昭和19年に発令され、愛媛などの製紙工業が盛んな地域

を筆頭に、全国各地に拠点が設けられ、風船部分につかうこんにゃく

芋は軍需品になり、おでんのネタのこんにゃくは消えたともいわれた


昭和20年1月、ふ号爆弾は放流が開始され、3月までの間に約9000個

放流された

オレゴン、モンタナ、アラスカからハワイと、米国全土を席捲し、

ジェット気流の存在を知らなかった後進国アメリカは日本の先進的

技術におそれおののいたといわれる

当時、アメリカはこのふ号爆弾に厳重な報道規制を敷いたため、

どれほどの風船爆弾が到達したかは正確に知る由も無いが、一説には

約1000個ほど到達しているといわれている


戦争終結後、さまざまな情報がちらほらと開示されるようになり、

アメリカがこの緻密なふ号爆弾のつくりを解明できず、何度も実際に

再現実験をおこなったことが確認されている


このとき、ふ号爆弾つくりに従事した女学生たちは、どういう

気持ちでいたのだろうか


いくつかの手記や実際の話を聞いた内容をまとめて書かせてもらうと、

当時はふ号作戦は重要機密事項であったので、自分たちのつくっている

ものがどういうふうに兵器としてつかわれるのか知らず、ただ黙々と

皆で作り続けたようだ(兵器であることは知ってはいたようだ)


工場と学校では待遇が若干違うものの、朝から8時間労働で、決して

残業は無く、そのときは貴重だった米の真っ白なおにぎりが昼食と

して配給されたことを知ることが出来る


また、新聞にふ号爆弾がアメリカ本土の攻撃成功と載ったときは、

手をとりあって大喜びしたそうだ


あのとき、日本が風船爆弾を開発しせっせとつくっていた頃、

アメリカは原子爆弾を開発していたわけだ、もちろん、そのことを

当時女学生だった方々は、後に知ることとなるわけだ


しかし、彼女たちは言う、自分のつくったふ号爆弾の戦果が山火事

程度とわかるとがっかりしたと、当然、当時のことであり、いまにして

思えば、人がたくさん死ななくてよかったと口を揃えて語ってくれる


わたしたちは、体制とか指導者とかを分析することにばかり時間を

割くようになったようだ、もっとシンプルに戦争そのものが人を

変えるということを認めるときがきていると思う




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最終更新日  2008年08月08日 12時12分17秒
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