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テーマ:心の病(7246)
カテゴリ:メンタルヘルス
8月分更新、地下活動がもうしばらく続きます。
意味が通じるように書けるかどうか不安ですが…。 2002年の夏に、直属の上司が退職したショックで会社に行けなくなって、退職願を提出してから総合病院に行き、「自律神経失調症」との診断書をもらった。 病院の手違いで、処方されていたらしい薬が受け取れず、二度目に行ったとき 「会社を辞めたら気分が楽になりました」と言ったら呆れた顔をされ、 「じゃあまた調子が悪くなったら来なさい」と言われて数ヶ月。 なんだか浮き足立った感じ。 買いたての槇原さんの「花火の夜」のシングルを車に積んで、歌いながらひとりで花火を見に行こうとして道に迷ったり。突然会社の元同期に電話して道を尋ねたり。 そして一睡も出来ずに喋り続けたり、急に無口になったり。 有り得ないことを信じ込み、聞こえないはずの声が聞こえ、試験に受かって行くはずだった職業訓練も、初日の入所式に出た直後に頭がキーンとなる感じがして、翌日からの訓練を父が辞退しに行った。 父は病院に勤めていたから、出勤する父に追いすがって 「私を病院に連れて行って、入院させて」と懇願する日々がしばらく続く。 母は連れて行ってやればいいと言っていたそうだが、父はやはり精神科には抵抗があって、薬漬けになる、と言ってやりすごしていたらしい。 休みの日に車に乗せて落ち着きそうな場所に連れて行ったりしていたようだ。 そのうち私の様子は目に見えておかしくなり、車に乗っても外から見えないようにシートを倒したり、話し声が誰かに聞かれていると思って声を発さなくなったり、父の携帯電話に何か仕組まれていると思ったり、エアコンの噴出し口から毒ガスが出るなどと思うようになる。 「まだ生きとんか」 「死にゃあええんじゃ」 「おめぇの帰る家やこねぇぞ」 罵声が間断なく続き、眠れず、食べられず、一気に痩せた。 仕方なく父が地元の精神保健センターに連れて行った。 自力では現状を書くことが出来なくて、父が経過をパソコンでこしらえて持って行った。 そこでは本人告知はされなくて、父だけがしばらくして病名を聞いたそうだ。 薬だけは飲んでいたが、おくすり110番などで調べる気力もなく、ただ毎日ぼんやりしていた。 翌年の春、センターの治療方針変更の為に転院をやむなくされ、紹介された中で今のクリニックを選んだ。 そこで「公費負担」云々の手続きがなされたらしく、支払額が激減。 そろそろ薬も効いて来たのか、インターネットもするようになって、あれこれ調べていたら、自分と同じ症例を見つける。本を立ち読みしても、まさしく同じだ。 私は当時、それが症状だとは気付いておらず、センターに行っても体の不調ばかりを訴えていた気がする。あの恐ろしい体験が現実でなく病気であってくれるなら、という希望もあり、社会的には差別的な面の多いその病名を受け入れたくない気持ちもあった。 数日悶々とした末、母を問い詰めると、そう診断されていると認めた。 次の診察日にクリニックのドクターにも尋ねた。ドクターは手を合わせて、 「ごめんなさいね。センターのM先生もショック受ける思うて言わなんだんじゃと思う。」 そんなわけで、私は、4年間、病名を知ってからは約3年、この病とどう共存しようかと苦しんできた。その間には失踪したり、自分が注目されていると感じて普段では有り得ないような言動をしたりして、ますます家族との断裂が増したりもしたのだが…。 この日、我が家のプリンターはインク切れのままで、仕方なく手書きで朝方までかかってレポートを書いてクリニックに向かった。 診察室に入って、 「すみません、プリンターがインク切れで…。」と言いながらいつものようにレポートを差し出す。 ドクターはふんふんと頷きながら読んで、2枚目の1ヶ月の睡眠時間の推移を書いた表を見て 「ほんまキチンとされとって。こんなことばぁ言うてあれじゃけど、文字も綺麗でしっかりしとって、小さい字でもバランス良くて…。」 「は、はぁ…。恐れ入ります。」 以前も手書きで持ってきたことがあって、その時にもそう言われて、「内容は!?」と内心憤慨したので覚えている。そんなお世辞はいいんだけど、と思っていると、 「いや、この文字はねぇ、○○○○○(病名)っていうより△△△(病名)っぽいんよ。前から思いよったんじゃけど、○○○○○のひとでこういう字を書くのは見たことない。」 「は、はぁ…。それはその、病気で書字機能が落ちる、とか…?」 「いや、そうでもなくて、まぁ、元からなんかなぁ…。」 それなら関係ないのでは、と思っていたら、 「いや、やっぱりほんま△△△かも知れんわ。」と言いつつ、後ろの棚から診断規準(DSM-IV)の本を取り出して開いて見せる。 「△△△の重度のもので、○○○○○の病相が出るものがあるんよ。気分に合ったエピソードが主かどうか、が判断基準になるんじゃけど。気分に変化がなくても症状が続くかどうか…。ひとつ○○○○○を疑わせるのは、槇原さんのことなんじゃけど、それもそれまでの病相より優勢でかつ継続しとるとまでは言えんし、普通の範囲内なんかもしれん。診断書全部差し替えるか、言うとそこまでのあれはないんじゃけど」 「…え゛っ!そんな今更診断が変わることも…」 友人の例から、あるわな、と気付く。それにしたって、行政上の優遇措置に変わりはないけど、根本から違う病気ってこと? 「あ、あの、それって喜ぶとこなんでしょうか?胃がんと思ってたら肺がんだったよ、とかいうのとどう違うのかよく判らなくて…。予後は、社会適応性は…。」 「元々chisatoさんは予後も社会適応性もいい方だと思うけど、△△△の方が圧倒的にええな。ただまぁ、多分それだけじゃないと思う。病気に、トラウマとか家庭環境とかが加わってきて、複雑な病相になっとるんじゃと思う。」 「○○○○○は障害が残るし、一生薬を飲み続けないといけませんけど、△△△は…」 「完治して、薬飲まんでようなったひともいます。」 「じゃ、喜ぶとこなんですね…。薬はどうなるんですか。普通△△△で使う薬って…」 「うん、今の薬も一応は興奮状態を抑制する効果もあるから効いとったんじゃろうけど、普通は違うな。」 ドクター、メモ書きで薬を列挙。 「これとこれを使うことが多い。でも今のままで様子見ても問題ないとは思う。ただ憂鬱感もあるようじゃし、持ち上げる方をもう少し使ってみても良かったかもしれん。副作用もあるし、納得いくようにやった方がええじゃろうから。とりあえず今の処方で様子見て、ちょっと早めて2週間後にする?」 「ハ、ハイ。」 呆然。薬局で父の分と自分のコーヒーを取りながらまだぼんやり。 「お薬、二週間分ですね」 と言われて少し我に返る。 車で待っていた父に要領を得ないながらも事の顛末を説明。父は最初怪訝そうな様子だったが、 「ちょっと、移動しながら、クーラー効かしもっていこう。」 と言いつつ、インクを買いに電器屋へ(遅いって…)。 電器屋に到着した時点で、父がやっと話の大半を飲み込んだらしく、 「そりゃ、お母さんに今電話せられ。泣いて喜ぶわ。」 私の方が怪訝な顔で、長いコール音を聞く。寝ていたらしい母が出て 「はぁ、そうなん?まぁ違うなら違うで、これから変えりゃ良うなるんじゃし、良かったが。ほんならもうええん?」 と、私の予想通りのローテンションの対応。 その後はふわふわしながらインクとウイルスソフトを買って、店を出てマンションに行き、ありあわせのものを食べて、そこから歩いて医学書を取り扱っている書店へ向かってしばらく立ち読み。 わ、わけがわからん…。 それから帰宅して、両親はやっと気分が盛り上がりだして、喜びまくっている。 なんだかんだ言って、元の診断名は余程辛かったのだろう。 △△△は、発症例は少ない(○○○○○とほぼ同じ)ながらも、著名人で公表しているひともいるし、まだ受け入れられやすいのかも知れない。ただ、違う病気を疑われるほど重い症状が出るひとは稀なのだとは思うが。 私としては軽い○○○○○と重い△△△、対外的にはともかく当事者としてこれからの治療計画がどうなるのか、不安も強い。そもそも△△△は疑ったことがなかったので、これまでほとんど何も調べた覚えがない。そもそもそんな症例があるとも知らなかった。 それに、文字がきっかけでここまで話が急展開するとは…。別に手書き初めてでもなかったのに。 プリンターのインク買っておいたらどうなってたんだ。 なんかまだイマイチ納得いってない部分も、正直あるのだけど。 どちらも楽天のテーマにもある病気なので、この際公表しようかとも思ったのだけど、このブログはそういう話ばっかりに偏らせたくなくて始めたところもあったので、○だ△だと中途半端なことになってしまって申し訳ない。 ここ最近、憑かれたようにそのことばかり調べていて時間がどんどん経ってしまう。 ちなみに8月分で書きたいのはダイエット記録も含めて最低あと2エントリー(汗) ううむ、いつまで続くこのリバース状態…。 DSMー4ーTR精神疾患の分類と診断の手引 ↑おおぅ、在庫なしかい…。そんなに売れる本なのかな。 ICDー10精神および行動の障害新訂版 ↑診断基準の主な二つのうちもうひとつがこれ。立ち読みした感じでは個人的にはこっちの方が解りやすかった。と言っても自分の症例だけだけど…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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