コアコンピタンス経営の難しさ
「コアコンピタンス経営はどうすれば実現できるか?」 前回、あえて内製化を選択するものが独自のコアコンピタンス(中核能力)であり、それを効果的、効率的、継続的に創り出す本質的方法が「ウエイ」だと書いた。 さて、コアコンピタンスを強化育成する経営スタイルをコアコンピタンス経営と呼ぶことがある。本業において、「ウエイ」を構築し、それを徹底することが競争力の強化につながる。 しかし、新規事業ではどうか。実は、コアコンピタンスによって新規事業を創ろうとするとうまくいかないことが多い。 企業はコアコンピタンスを複数持っているので、新規事業では、どのコアコンピタンスを選択し、どんな外部能力と組み合わせてどんな顧客価値を提供するか、が複雑な連立方程式になってしまうからだ。 新規事業を企画する段階では、コアコンピタンス経営は無用だ。まず、提供したいコアベネフィット(顧客価値)を明確化し、必要なコアコンピタンスは、自社が持っていなければ外部調達するか、自分で新たに創り出せばよいからだ。