特別編 No.110 ツユクサ 身近な雑草の不思議
No.110 ツユクサ
どこにでもあるツユクサですが、家庭菜園の一角が休耕になっていて、私の畝の真ん前だから目立ちます。
谷川で水をくみ上げて顔をあげたら目の前にこの花が咲いていて、ちょっと感じた事もありました。どこでもお邪魔様です。
ツユクサの花
2012-08-31 撮影
雄しべの6本は、こんな姿です。雄しべの先端の横に、鞘があって豆が一部見えております。
2011-08-30 撮影
夕方この花がしぼむ時には、この雄しべはカ-ルして雌しべへ自動的にくっつき
自家受粉の道を辿るとか。
知りませんでした。
う~む!
後述の本によりますと、この草は大変おいしい食材だそうだ。
料理研究家がうなるほど美味しいらしい。
さて、この花は雑草ではあっても大変綺麗です。
しかし、こんなに強烈な繁殖力の秘密には誰も気がついていないだろう。
どうだ参ったか!
著者はその様の書き出しで紹介している。
1. 花粉をこさえる雄しべが三形態もある。
2. 朝咲いた花は、夕方しぼむがその時におしべは内側にカ-ルして雌しべに
ゴツンする、いわゆる「自家受粉」する。
3. 第3は「閉鎖花」をつくること。蕾のまま自分で受粉することをいう。
秋に多くみられるらしい。
4. 第4は、まれに藤色の花を咲かすものがある。
はっとするほど美麗であった。
料理にも・・・といっても食べるとなると数が要るよとお考えの方もいるでしょうが、この写真の繁殖ぶりをご覧になれば納得出来ます。
ツユクサの群れ
青野川の土手にて。 2012-09-06 撮影
茎が地面を這って伸び広がる様は強烈です。庭のカイズカイブキの根元などで
秋になって始末するとき、茎の一部を取り上げてはその広がりに感心したことが何度もありますね。
ツユクサとは:
1. 科 名 ツユクサ科(COMMELIANACEAE)ツユクサ属
2. 学 名 Commelia commnis
3. 別 名 蛍草、月草(万葉集)、帽子草、青花、チンチロリングサ、着草
4. 原 産
5. 花 期 6月~9月
6. 特 徴 雌しべ 1個 雄しべ 6個
7. 環 境 庭先、道端、草地、畑(私の附記)
※参考情報-1
ツユクサ科 トラディスカンティア・シラモンタナ 別名ホワイトベルベット
2011-10-17 大原で撮影
白い毛の覆われていることが、かすかに見えます。
ツユクサ或いは紫露草の花に似ている。
決して野草ではありませんが、ツユクサ科で、おそらく三田市内では数少ない珍しいお花ですから、既報ながら再掲させてもらいました。
この花の情報
1. 科 名 ツユクサ科トラディスカンティア属
2. 学 名 Tradecantia silamontana Matuda
3. 別 名 ホワイトベルベット
4. 原 産 メキシコ
5. 花 期 夏~秋
6. 特 徴 全体に白い毛に覆われている。
※参考情報-2
「身近な雑草の不思議」なんてサブタイトル的な表現を借りたのには理由があって、今年読んだ新書版の本の題名です。
身近な雑草の不思議 ソフトバンククリエイティブ発行
著者 森 昭彦氏 999円(税込)
大いに参考になりました。
雄しべ自体、一つの花として鑑賞のたのしみがある・・・とありましたが、全く賛同いたしました。
どのお花でもそうですが、鶏の雄のように雄しべが綺麗なのは、例えばソバの花なども同じです。
やはり昆虫を引き付ける役目かと愚考。