サクラタデの花 10月16日は記念すべき日となった。
マクロの写真で、少しピンクの色が薄いと思うが、やはり綺麗だ。
このサクラタデが生えている所は、いわゆるタデ(アカマンマ)を始め、ホントクタデなど
タデの仲間が何種類か生えているが、サクラタデに出合えるなんて全く期待していなかった。
それだけに驚いたし、喜びもした。
その茎と葉と蕾の様子
写真の右端の外側に株元があって、そこから3方向、4方向へ枝が伸びている感じ。
休耕田で、野草が茂りっぱなし部分と稲田の境にあり、ご覧のとおり草が多いがこのサクラ
タデもその株数がごく少数だった。競合が厳しいのかもしれない。
10月17日(金) 2回目の撮影にて
このように真直ぐ立っている株もある。
雄しべと雌しべが分からないので、この日から18,20日と繰り返し撮影している。
◆
この写真で初めて雌しべの3本の柱頭らしい物が花被の上に出ている姿が分かった。
仮にこの3本が雌しべとすると雄しべの8本の葯は低い位置にあるはずだ。
⇒ 雌株の判断がこの雄しべ雌しべの姿で分かると教えられた。
そこで、次の課題は、この花の内部にある雄しべの姿がハッキリわかるような写真撮影
◆ ◎ : サクラタデに出合えた経緯
本当に思いがけない出合いであった。
小さな花のウリクサ(ゴマノハグサ科)の花の名前を偶然知り、それ以来1、2か月、外出して
野原や湿地に出合うと極力地面に目を向けて注意することが多い。
サクラタデの花との出合い実現もそんな背景があって、買い物の帰り川除の休耕田に来た
ので、自転車を降りて立ち寄ったらウリクサは無かったが、サクラタデの花に出合えた。
それ以来17,18日、20日と3回この野草の花の有様に迫る目的で通った。
その理由
1. この花が雌雄異株だと分かった。であればその両方の花と株を知りたい。
2. ネット検索でも、雄しべが花被から飛び出した花と雌しべが飛び出した花がある。
そういう注釈がついているが、そのいずれが雌株なのか、雄株なのか分からない。
3. 雌雄異株とされているのに、この事がハッキリしない例が多い。
そこで、せっかくサクラタデの美しくて可愛い花に出合えたので、これらの悩ましい問題の詰めの
為にも、この花の様子をよりはっきり撮影しようソ思って出かけた。
結果はどうか。
迷いの山が今現在の結論。
雌株だからと言って、雄しべの存在が無いと言うわけでは無く、上の写真のように
花被の上に柱頭が出ていても、退化した雄しべは花被の中に低い姿勢で残る。
雄花は雄しべの葯が花被の上に出ていて、柱頭は花被の中に低い姿勢で隠れている。
雌雄異株出合っても祖先の姿は形として残す・・・植物の知恵かもしれない。
その写真
1) 露が花に付いてビショビショの花弁と花粉 2014.10.18
マクロで狙うと花に露が付いていても分からなかった。撮影の失敗だと思った。
08:49 この時間にこんな現象は初めての体験、(@_@;)です。
2)10月20日の場合:
雌株らしい証拠: 柱頭が花被(花弁)よりも高い例
柱頭が3つ、花よりも高い。 雌株と思われる証拠だろう。
花を拡大してその中を見る
この写真で、雌しべの柱頭らしい物が2本乃至3本見える。
下の方に葯が在り、ネット情報で知った状態、中段の5本の葯と柱頭に近く低い位置の
3本の葯らしい物が写っている。
どうしてこんな複雑な構造になっているか?
不勉強ですが、雌株だとして雄の葯が花の低位置ではあるものの、こんな形で残って
いる。 この花の歴史の中でなにがあったのでしょうか?
柱頭が3本である花の例
参考資料: キウイも雌雄異株であり、雄株が無いと交配できないが:
雌株の花 : 2014.05.25
この花の上で白い放射線状の物が柱頭であり、その下に見える(写真の場合は上)のは
雄蕊。賑やかな姿。しかし、交配には全く役に立たないらしい。
キウイの雄の株の花
雄株の花なので、雄しべが沢山みえる。これはもう花粉提供役だから花粉が目立つ。
真ん中に見えるやや赤い物は、雌しべの痕跡だそうだ。
今年熱心に探し回った「アオキ」も雌雄異株であり、雄株の花を観察するとその中央に
雌しべの痕跡があった。
これらの事を考えると、雌雄異株といってもそれぞれが全く違う花と言うことでは無く
何らかの姿で残ったり、痕跡だったりする。
野草の今日の姿から祖先達の発展の歴史が垣間見えて面白いと思った。