東証と大証の両方に上場している会社の決算発表
昨日、信越化学が決算発表をしましたが、期待はずれな内容で、本日は6%も急落しました。一般的に素材産業は景気変動の影響を受けやすいため、業績変動も大きいのですが、信越化学の場合は非常に安定しており、過去10年以上赤字決算はありません。減益すら2009年3月期が初めてです。さすがに今回の世界的な不況では減益になりましたが、それでも1四半期たりとも赤字にはなっていないという、優良企業です。自己資本比率は8割と財務も強く、安心して保有できる銘柄です。(私にとってはトレーディング銘柄ですが)金融危機後の業績は、2009.3期のQ4を底に回復傾向にありましたが、昨日発表したQ3では、四半期営業利益が前四半期比で減益になってしまいました。今期の通期予想も初めて開示したのですが、そこから逆算するとQ4も減益が続く予想になっています。 2009.3:Q4 2010.3:Q1 2010.3:Q2 2010.3:Q3 2010.3:Q4(予)売上高 186,476 190,084 227,145 250,977 241,794営業利益 16,197 20,647 32,292 31,544 28,517粗利率 19.7% 23.1% 25.1% 22.9% ?前期までは安定して3割前後だった粗利率も、前期Q4を底に回復傾向だったのですが、Q3では22.9%と低迷しており、苦戦していることが窺えます。決算発表前までは、業績は順調に回復傾向にあると信じて疑いませんでしたが、完全に期待を裏切られました。私は先週金曜日に半分売却した分を、決算を確認してから買い戻そうと考えていたのですが、この内容では買い戻すどころか、残り半分もすぐに売却しなければいけないと判断しました。信越化学は東証と大証(更に名証も)の両方に上場しています。決算は 15:00 に開示されましたが、その後 15:10 まで大証では売買ができていました。実際に東証の昨日の終値は 5260円でしたが、大証では 15:00 以降に 5230円と5220円で出来ていて、終値は5220円でした。すぐに開示を確認していれば、大証で逃げることもできたかもしれませんが、私が決算短信を読んだのは 15:30 頃でしたので、間に合いませんでした。幸いPTSで5190円で売却できたので事無きを得ましたが、東証と大証の両方に上場している銘柄で、決算発表が 15:00 の場合には、サプライズ決算に備えてすぐにチェックすべきだと反省しました。なお本日金曜日の東証での値動きは、始値:4990円 高値:5020円 安値:4900円 終値:4945円 でした。ちなみに大証と名証の本日の始値は、共に5160円でした。窓を開けて株価が大きく動きそうな時には、上場している全取引所を確認する価値がありそうですね。(出来高少ないけど)