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2011.06.06
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カテゴリ:Israel
6月7日はちょうど30年前にイスラエル空軍が「バビロン作戦」を敢行した日でした。
当時クジラはまだ高校生でした。

 ※イスラエル空軍機がイラクのタムーズにあった原子力施設を「バビロン作戦」(別名オペラ作戦、オフラ作戦)の作戦名で1981年6月7日に攻撃した武力行使事件である。(wikipediaより)

それで、その作戦についての詳細な記述がなされた
『あの原子炉を叩け!』■ダン・マッキノン著■新潮社 を読んでるところです。
登場するイ空軍パイロットはすべて仮名ですが、この攻撃にかけるイスラエルの執念、軍上層部や政治指導者の苦悩など緊張感が伝わってきます。
今から思えば、よくまぁ、成功させることができたなぁ…と。

img035.jpg

読み終えて、いろいろ雑感をまとめてみました。

世界がアッと驚いたこの作戦の後、多くの国がイスラエルを非難しましたが、
その10年後イラクは湾岸戦争でイスラエルのテル・アヴィヴに36発(39発?)のスカッドミサイルを撃ち込んできました。
「あのときイラクの原子炉を破壊しといて良かった。GOサインを出した当時の首相メナヘム・ベギンの判断は正しかった」
と思った人は(イスラエル人以外にも)多かったのではないでしょうか。


ユダヤ人とイラク(バビロン)は昔から深い縁(えにし)で結ばれています。

1. ユダヤ人の父祖アブラハムは当時カルデヤと呼ばれたメソポタミア(バビロン、現在のイラク)の出身である。(紀元前1700頃?)

2. 時代が下ってダビデ、ソロモンの“黄金時代”(紀元前1000頃)の後、ユダヤ王国が北イスラエル王国、南ユダ王国に分裂。
北のイスラエルはアッシリア帝国に滅ぼされ(紀元前722)、南のユダ王国は新バビロニア王国により滅亡、多くのユダヤ人が捕虜・奴隷としてバビロンに連れ去られました(紀元前586、バビロン捕囚)。
その後、バビロニアでもユダヤ人コミュニティが大いに栄え、政治や経済で活躍する人材が多く出ました。バビロン捕囚が解かれた(紀元前537)後もイスラエルに帰らずバビロンにとどまったユダヤ人が多くいたほどです。

3. 1948年5月14日のイスラエル独立と共に始まった中東戦争でバビロン作戦に至るまでの4回の戦争のうち3回にイラクは参戦しましたが、イスラエルを滅ぼすには至りませんでした。
(現在に至るまで平和協定はおろか、休戦協定も結ばれていません。つまり今も“交戦中”ということになります)

その一方でイラクにあったユダ人コミュニティ(2500年近い歴史があり、一時は世界のユダヤ文化の中心でもあった)は迫害により衰退の一途をたどり、湾岸戦争後は消滅に追いやられてしまいました。

古代から連綿と続くイスラエルとイラクの関係の中で「バビロン」作戦の果たした役割はなんであったのか。
独裁者サダム・フセイン大統領亡き後、現在も混乱が続くイラクですが、再び平和と繁栄を取り戻し、中東地域一帯の安定につながる“大国”としての役割が早く来ることを願います。
もちろん、その安定の中に“イスラエルとの共存”が含まれることはいうまでもありません。






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Last updated  2011.06.07 05:21:57
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