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トルコとイスタンブール、ちょっと投資

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2024.01.16
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カテゴリ:社会問題

 今回は、前回(14)に紹介し切れなかったところを中心に紹介します。

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   前回、PKKとの戦闘におけるトルコ軍兵士殉職事件を巡るトルコの社会状況について、「残念ながら、反政府系テレビ・新聞を含めて、『トルコ社会全体を、弔いや“テロ”非難が覆っている状態』となっています。つまり、(CHPが憲法裁判所判決無視事件に対する抗議)集会を中止しなければ、共和同盟支持者だけではなく、DEM(クルド系政党)以外の全ての政党の支持者から非難される可能性が高いのが、今のトルコ社会の状況と言えます。(「なぜ3週間後にほぼ同じような殉職事件が起こったのか」、「そもそも軍事目的は何で、どんな成果が上がっているのか」、と言った基本的な情報開示を求めることですら、国防軽視、PKK・アメリカの手先と批判される状況です)。」と紹介しました。今回は、前回の最後に紹介した「PKKによるトルコ軍兵士襲撃及びトルコ軍兵士の殉職が繰り返される理由・背景」に関する3つの説(①PKK主導説(PKKの内部事情)、②イスラエル・アメリカ陰謀説、③エルドーアン大統領の自己都合説)について解説します。

 最初に、PKK主導説(PKKの内部事情)を紹介します。まず根拠からですが、「PKKは、対PKK戦でも使用される可能性が高い改良型F16戦闘機を、アメリカがトルコに売却することを望んでいない。そのために、アメリカがトルコに求めているスウェーデンのNATO加盟を認めるNATO条約改定をトルコ国会が批准することを妨害しようとしている。101日の国会開会日には国会近くの内務省で自爆テロを敢行し、12人が亡くなったトルコ兵襲撃事件が起こった1220日には外交委員会でこの問題が議論され、今回はトルコ国会が冬休み明けで再開する直前に起こっている。」ということです。そして、PKKはアメリカの協力を得ているものの、独自の目的を持っているため、必ずしもアメリカと利益が常に一致しているわけではないという説明です(外交に強い記者)。この説への反論としては、「PKKはアメリカを怒らせて、本当に困ることはないのか」、「12月と1月のトルコ軍兵士襲撃事件は、アメリカやイスラエルなどからの情報なしに単独で実施することができたのか」ということが指摘できます。次は、イスラエル・アメリカ陰謀説です。これは、「ハマスを支持する発言をしたり、最近ではトルコ国内でモサドの協力している組織を摘発したと公表したりするなど、エルドーアン大統領がイスラエル・アメリカと敵対しているため、トルコに対する報復としてイスラエル・アメリカがPKKにトルコ兵士を襲撃させた」というものです。この説への反論としては、「エルドーアン大統領はイスラエルとの貿易を増やすことああっても減らしておらず、貿易関係をはじめ、軍事関係、政治関係で、イスラエルに対して何の行動もとっておらず、単に国内向けのリップサービスだけで発言したり、集会を行っているだけで、その裏事情はイスラエル・アメリカも十分理解しているはず。」ということです。2003年には、フセイン政権打倒のためにトルコ領土(特にインジルリッキ空軍基地)の米軍等が使用することを認めるためのトルコ国会の決議をエルドーアン大統領が否決させた後、北イラクで活動していたトルコ軍兵士(士官)を拘束し、プラスチックのひもで後ろ手に縛り上げ、頭にはズタ袋をかぶせて辱めを受けさせた事件がありましたが、本気になれば、エルドーアン大統領に本当に衝撃を与える行動(殺害することなく)を起こすことも可能と思われます。実際、プーチン大統領は、北シリアでトルコ軍兵士を何十人も爆殺しています。最後は、エルドーアン大統領の自己都合説です。以前紹介しましたが、2015年以降、トルコで選挙が近づくたびに、なんという偶然か?!、PKKだけではなく、いろいろなテロ組織によるテロ事件が起こります。その結果は、今回の事件へのトルコ社会の反応と同様に、「トルコを守れ。テロ組織をせん滅しろ。治安を守れるのはエルドーアン大統領(又はAKP)だけだ」といった雰囲気が強くなることは明らかです。昨年5月の前にも、メルスィン市では自爆テロが、イスタンブル市では爆弾放置テロが起こりました。特に後者の事件では、犯行直後にあっという間に犯人が特定され、当時のソイル内務大臣は「PKKの仕業だ」と断言していましたが、その後の捜査で次第に怪しくなってきて、最後は犯人の背景はうやむやになっています。既に紹介しましたが、「北イラクでトルコ軍は何をしようとしているのか、どのような体制になっているのか」といった基本情報が明らかにされていません。そして、なぜか、選挙が近づくとトルコ軍兵士襲撃事件が起こり、トルコ軍に人的被害が発生しています。そして、その直後には、「トルコ兵の血は無駄に流されなかった。復讐が行われた」として、「テロリスト●人を無力化した。その中には、幹部の■も含まれていた」と言った公式発表があり、反政府系報道機関の多くもそのまま報道しています。時々紹介している、アメリカに事実上亡命しているトルコ人記者は、「今回の反撃で無力化したと発表されたPKK幹部は、既に2019年に無力化され、トルコ政府は当然ながら、PKKも公表している。ちょっとインターネットで調べればわかる話。トルコメディアは仕事をしていないから、トルコ政府は堂々と嘘の発表を行っている」と指摘していました。つまり、管理者は現時点では3番目の予測が一番事実に近いのではないと考えています。

 ここから突然、別の話になります。先日、憲法裁判所判決無視事件を引き起こした民事刑事最高裁判所第3刑事法廷の話です。2019年の統一地方選挙の時にTRT(トルコ国営放送)AA(アナトリア通信、事実上の国営通信社)がオジャランPKK首領の手紙を発表したり、弟のオスマン・オジャランをテレビ出演させたりした“事件”に関して、「報道の自由であり、無罪」と判断したそうです。そのほか、2022年頃だったと思いますが、ソイル内務大臣(当時)が「大イスタンブル市役所では、800人余りのテロ組織関係者が新たに採用されている」と発言してイマムオール大イスタンブル市長を攻撃したことがありましたが、この問題を巡る裁判で、ソイル前内務大臣は「政治の自由、表現の自由の一環として発言したもので、証拠はない」と証言したそうです。この話は先ほど紹介したアメリカ在住の記者の発言ですが、嘘を言う理由はないと思われますので、かなりの確率でいずれも事実と思われます。トルコでは、有罪無罪の判断は、「何をしたか」ではなく、「誰がしたか」で判断されるという意味になります。こういう話を聞くと、単に経済統計だけではなく、トルコ政府のほとんどすべての発表が「大本営発表」ではないかと疑いたくなります。更に言えば、これまでいくつもの例を紹介してきましたし、それ以外でも紹介し切れないほどたくさんの例があります。例えば今回紹介したように、「オジャランPKK首領兄弟と連絡を取り、テレビに出したり、書簡を公表させたりして選挙に利用しようとした」のは、どこからどう見てもエルドーアン大統領ですが、反対に野党を「CHPHEDEP(DEMの前身政党)PKKとつながっており、PKKと同じことを言っている」などと批判したり、さらには、大統領選挙の選挙宣伝として、映像を合成してPKKの軍事部門責任者とクルチダルオールCHP党首(当時)を共演?させたりしたのは全てエルドーアン大統領だったということです。一言で言えば、「自分がした失敗は全て野党のせいだと言い、野党がやった良いことは自分がやったと言う」という言動がしばしばみられるということです。残念なことに、トルコ国民の半数前後は、これらの事実を全く知らないということです。つまり、TRTやAAは当然ながら、ほとんどのテレビ局や新聞はエルドーアン大統領の事実上の支配下にあり、エルドーアン大統領に都合の良いこと、都合良く改ざんされたことだけが報じられ、都合の悪い発言や事実は一切報道されていません(例外はほんの一部の反政府系報道機関だけ(特にYouTube上のメメディア))。そのため、「エルドーアン大統領(首相)がトルコに初めて電気、天然ガスをもたらし、トラクターや家電の生産を開始させた。その一方で、トルコ・リラが下落し、インフレ率が高いのはCHPのせい。もしCHPが政権を執れば、イスラム信仰が禁止される」と固く信じている人たちも相当います。国民同盟から善良党が分離し、政党としては事実上、共和同盟に組み込まれつつある状況です(そのため、離党者が急増し、支持率も急落しています)が、その一方で、現在のトルコ国民の生活状況は非常に悪く、普通の国であれば与党が勝つ可能性はほとんどない状態です。しかし、どの程度のトルコ国民が生活苦を実感し、かつ、その責任がエルドーアン大統領にあることを理解できるかどうかで、3月の統一地方選挙でどんな結果が出るのか、つまり、共和同盟(あるいはCHPなどの野党)2019年の選挙の時よりも勢力を伸ばすのか・減らすのかが決まるため、現時点では何とも言えない状況です。


 

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 今日はトルコのガラス製品を紹介します。
 トルコのガラスは産業向け製品、大量生産品もそれなりの品質です。






今日はトルコ・コーヒーも紹介します。




ここからはブレスレッドです。





















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Last updated  2024.01.18 12:41:20
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