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トルコとイスタンブール、ちょっと投資

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2024.06.17
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カテゴリ:社会問題

 今日(6月16)は、前回(519)からほぼ1ケ月が経ってしまいました。525日に非常に重要な情報が出ていたのでそれを紹介しようと思っている時に、体調を崩してしまいました。1週間は全く何もできず、その後しばらくして仕事には行くようになったのですが、とてもブログを更新する気力も体力もない状態が続き、1カ月経ったところでようやく更新ができるまで回復しました。“更新がなくなったのか?!”と心配された方にはご迷惑をおかけしました。これからも1週間に1度、せめて2週間に1度は更新できるように頑張りますので、応援をよろしくお願いします。

 偶然ですが、今日は犠牲祭(クルバン・バイラム)1日目でした。クルバン・バイラムは4日間ですが、今回のバイラムも公務員や銀行などは今週の木曜日、金曜日の2日間も休みで、9連休とされました。人口の10%、約850万人くらいは休暇もできれば、生活に何の不便も感じないくらいの収入を得ているようで、アンタリヤ周辺では200万人が出かけているとのことで、その他の地中海やエーゲ海の沿岸のリゾート地を中心に、国内だけでも相当な人が休暇に出ているようです。絶対数としてはかなりの数字ですが、割合で言えば最初に紹介しましたように精々10%強と思われます。少なくも50%以上は、帰省もできない状態で、ガラガラになったイスタンブルの海岸で楽しんでいる人の様子をニュースが紹介していました。(砂糖祭(ラマダン・バイラム)では、無料の市バスや連絡船がごった返す様子も紹介されていましたので、人々の行動はその時々で変わるようです)


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 前回、「オゼルCHP党首とバフチェリMHP党首会談、そして、僅か10日後で2回目のエルドーアン大統領とバフチェリMHP党首の会談が行われました。この2つの会談でも何が話されたのかは不明ですが、冒頭でも紹介しましたが、その後、激動が起こりました。この激動は、エルドーアン大統領とオゼルCHP党首の会談で打ち出された雪解け(?)ムード、つまり、政治状況の軟化あるいは政治の正常化と言われていた動きが完全に逆転し、元の木阿弥状態になったということです。」と紹介しました。しかし、その後もオゼルCHP党首とエルドーアン大統領の話し合いは続き、先週、18年ぶりにエルドーアン大統領がCHP党本部を訪問して、話し合いを行いました。その直前に、これまでも何回か紹介したシナン・アテシ裁判を巡り、シナン・アテシ氏の奥さん(未亡人)2人の娘を大統領府に招待し、裁判の行方を関心を持って見守ること、シナン・アテシ氏の殺人犯を捕まえて正当な刑罰を受けさせることなどを約束するという場面もありました。しかし、先週終わりには、バフチェリMHP党首が再びSNSの投稿を行い、イタリアのG7からの帰国途上の機中記者懇談会でエルドーアン大統領が再び方向転換し、共和同盟(AKPMHP(+α)の与党連合)は揺るがないと発言し、再び、「“政治状況の軟化”あるいは“政治の正常化”と言われていた動きが完全に逆転」したところで、バイラム休暇に入ったという状況です。

 これまでに何度も紹介してきましたが、エルドーアン大統領の唯一の関心事項は“権力の維持”であり、より具体的には“大統領であり続けること”と言われています。そして、トルコの将来、あるいは大多数のトルコ国民が陥っている生活苦には全く関心が無いと言われています。トルコの税制、年金、最低賃金などを巡る議論からは、これらの指摘がほぼ正しいと思えるような状況と言えます。現時点では、あるいは、前回の更新時でも既に多くの識者が指摘していましたが、「“政治状況の軟化”あるいは“政治の正常化”と言われていた動きが完全に逆転」したか、あるいはそもそも“政治状況の軟化”あるいは“政治の正常化”は幻想にすぎず、「バフチェリMHP党首主導で、331(イスタンブル選挙(2024年統一地方選挙))以前の状態が今後も維持される」と指摘されています。エルドーアン大統領は政治の流れ、あるいは国民の動向には鋭く反応すると言われていますので、331日の結果を重く受け止めていることは事実と思われますが、バフチェリMHP党首による巻き返しに有効な反撃を行うことができず、しばらくは「331(イスタンブル選挙(2024年統一地方選挙))以前の状態が維持される」ということになりそうです。

 上で紹介しましたが、今日はとても重要な情報を紹介します。と言っても、既に1ヶ月が経ってしまいましたので、近日中に、6月のアンケート結果が公表されるのかもしれません。それでも重要と思われますので、メトロポ(-)ル社による4月と5月のアンケート結果の比較について紹介します。外交が特に強い記者の動画にメトロポル社社長が出て、一緒に分析した番組からの抜粋です。まず、4月と5月の政党支持率(「次の日曜日に国会議員選挙があった場合、どの党に投票するか」という質問)と支持政党なし(未定、不投票、無回答)を紹介します。

   CHP AKP DEM MHP YRP 未定 不投票 無回答

4月 23.8  20.6   5.5     5.2     4.0 11.9   15.6     6.3(%)

5月 22.0  19.2   6.1     6.8     4.3   13.6   13.1     7.1

  メトロポル社社長は、このアンケート結果から2つの重要な指摘を行っていました。1つは、「CHPAKPはいずれも4月から5月にかけて2%ポイントの支持率を低下させている」ということです。もう少し詳しく解説していました。それは、331日の選挙でCHPが大幅に得票率を延ばしたのは事実であるが、それが今後も継続するかどうかは不明で、ましてやAKPとの間で完全に立場が逆転したなどと言うことは全くなく、今後の支持率の動きをしっかりと見て行く必要があると指摘していました。なお、「AKP20%を割ったことは初めてであり、この凋落傾向が続けば、AKPが復活できないほどのダメージを受ける可能性がある一方、CHP22%という支持率はここ10年以上の定番であり、CHPが大躍進しているという事実は全くない」とも指摘していました。そして、「“支持政党なし”の割合はほぼ変化がなく、他政党の支持率の上昇は、AKPCHPの支持率が分散したもの」であるとのことでした。もう1つの重要な指摘は、「“政治家の好感度”調査で、オゼルCHP党首が4月から5月にかけて10%ポイントの上昇を示した」という点です。4月のアンケート結果で「好感が持てる」という回答の1位はヤヴァシュ大アンカラ市長で65.8%、2位はイマムオール大イスタンブル市長で52.8%、3位はエルドーアン大統領で38.3%、4位はオゼルCHP党首で36.2%でした。しかし、5月には、オゼルCHP党首が好感度を10%ポイント急上昇させ、エルドーアン大統領をあっさり抜き去り、イマムオール大イスタンブル市長に迫っているとのことです。このこと自体はあまり重要に思えないかもしれませんが、「なぜ10%ポイントの急上昇が起こったのか」を考えた場合、「エルドーアン大統領に利用されるだけで、CHPには何の利益にもならない」とか、「エルドーアン大統領と話し合っても何の変化も起こらない」といった否定的な見方もありましたが、一般市民はオゼルCHP党首が言うところの「与党と野党の対話は必要」という立場を評価しているものと思われるとのことです。


 最後に、これも2週間ほど前の話だったと思いますが、ヨンエイレム社という調査会社が行ったアンケート結果を、いつも紹介している解説者が言及していましたので、こちらを紹介しあます。「あなたは早期(即時)選挙が行わるべきだと思いますか」との質問に対して、YES43%であったのに対し、NOは48%であったとのことで、また、「どの政党が現在の経済困窮(混乱状態)を解決することができると思いますか」という質問に対しては、「如何なる政党にも無理」が30%で、AKP28%、CHP23%とのことでした。これに対して、メトロポル社社長は、「CHPの支持率は34%なのに対し、AKP31%+MHP8%であるため、即時(超早期)選挙を行っても、現与党の共和同盟が勝利する可能性が高い」と評価したとのことです。国会議員選挙では、確かにそうなると思われますが、最も重要な大統領選挙の場合は、必ずしもエルドーアン大統領が勝つという保証はなさそうですので、エルドーアン大統領が虚を突いて選挙を行うということは、現時点ではなさそうです。そもそも、既に憲法違反状態ですが、例え今回の選挙が2回目の立候補であったとしても、次の選挙にエルドーアン大統領が立候補できるためには、「5分の3以上の多数で、国会が大統領選挙と国会議員選挙を行うことを決議する」ということが条件になりますので、現在の国会議員分布状況を考えた場合、実現は困難と思われます。


 

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Last updated  2024.06.17 09:48:09
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