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イタリアいなかまち暮らし

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2007.06.28
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カテゴリ:旅行・レジャー
Marina di Varcaturo

ナポリの北のポッツオリと言うところに魚市場があって、相方ははそれが見たいそうだ。キャンプガイドで見るとその近くのキャンプ場はこのMarina di Varcaturo周辺に集まっていたのでまっすぐここに向かった。
しかしヘンな場所だ。ビーチ施設はたくさんあるが余り人気はなく、道路の両脇は葦のような背の高い草が荒れ放題で何も見通せない。いったい何を売っているのか?若いアフリカ系の男が何100mごとかに立っている。うらぶれたような、見放されたような(探偵ナイトスクープのパラダイスのような)場所だった。

キャンプ場はそんなに多くなかった。キャンプ場ガイドに載っていたのに、1件目は鞍替えしたのか、ホテルリゾートだった。2件目はあらゆる形の宿泊施設の集合リゾートで、その中にキャンプ場もあるという感じだった。しかし残念ながら空きがなかった。料金表をもらったが、CAMEROTAよりも安く、しかもなんとテント1区画ごとにプレハブトイレがついているという好条件。また来ることがあれば(ないと思うが)ここに向かおう。
3件目で空きを見つけた。しかしまたここでもちょうど2時ごろで、ガードマンが言うには空きはあるけどオフィスが閉まっているので4時ごろ出直せという。仕方ない。後でしようと思っていた買い物に出かけた。

DECATHLONという巨大なスポーツ用品・アウトドア用品店がイタリアにはある。いや、ヨーロッパ中の大チェーンだと思う。中国でショップオリジナル品を作ってて、やたら安い。しかし残念ながら都会にしかない。ナポリに来た理由の30%はここに行くことだ(ちなみに30%はIKEA、残りは他のショッピング。なんせカンポバッソにはなにもないですから)。ここで前から狙っていたものを買った。テントだ。
今まで使っていたのは相方が友人からもらった8人用の古いテント。非常に頑丈で、本格的な登山用のテントだが、重いし、組み立てが大変なので使いづらかった。私たちの使用目的に合っていないし、テントはより軽くて簡単なものにどんどん進化している。なので新しいものを買うことにした。
狙っていたのはこのDECATHLONのアウトドア用品売り場の一番の目玉、2~3秒で組み立てられるテント。いろいろサイズや形があるが、私たちの選んだのは3人用。54ユーロだった。
これは骨組みと生地が一体になっていて、折りたたむとぺちゃんこの円形になる。これをケースから取り出すと骨が広がって自動的にテントの形になり、あとは8ヶ所ほど杭で地面に固定するだけ。しかし値段が値段だけあって生地はみたいでぺらぺら。しかし本格的なことはしない私たちには十分!

さてキャンプ場にもどって、場所を見せてもらって、値段(まあまあ普通って感じだった)を確認して、チェックイン。新しいテントを広げ、その速さに満足してから、周りを見て歩いた。

驚いたのはそのキャンプ場、普通のキャンプ場のように、貸しバンガロー、貸しモビルハウス、キャンピングカー区画、テント区画という風に分かれてなく、全部モビルハウスだったのだ。ところどころに空いた区画があり、私たちが案内されたのはその一つの空き地だ。しかも私たちのほかにテントは見当たらない。しかも、そのモビルハウス全部、妙に生活臭が漂う。連泊している住人によってかなりカスタマイズされているようだ。
どの家も1、2個のモビルハウスが屋根と網戸で囲まれただけのリビングに接続され、その外にはガーデン用のテント屋根の下にテーブルが置いてある。その他のスペースにはハンモックや揺れるイスなど様々。

あとから周りの「住人」と仲良くなって聞いた話しだが、このモビルハウスは貸し別荘のような形態で、10年単位ぐらいの長期契約で借りて、毎年同じ住民が夏休みを過ごしにやってくるのだ。
イタリアでは長い夏休みをずっと一箇所の海辺で過ごす為に、海辺の別荘(アパートや一軒家)を買ったり借りたりする習慣がある。夏休みじゃなくてもとにかくできる限り海岸で過ごすために、夏の間は週末のたびに海に通う人も多い。なのでこの別荘は住む町から一番近い海岸にあるケースも多いのだ。
そしてこのモビルハウス村の住人もほとんどがここから遠くない内陸側の、ナポリ郊外のわりと大きな町、CASERTAというところから来ているらしい。

ここが普通の別荘と違うところは、敷地内にプールがあったり、真ん中に広場があって、昼間は子供向けのダンス教室、夜はディスコになったりなど、アトラクションが用意されていること。そして場内は塀で囲まれていて、出入り口はいつも警備員が見張っていて、住人以外の者を入れないばかりか、子供が勝手に外に出ないようにしている。
つまりこれは、親にとっては、安心して子供を放し飼いしておけるまさにパラダイス!一歩外に出ると周辺は妙に殺伐としているが、この中なら安心だ。我々は子供がいないから関係ないが、すっかり感心してしまった。

しかし驚きはそれでは終わらなかった。

日が少し傾くと、それはあちこちで始まった。カラオケ大会である。しかもどの家もナポリソング、つまり演歌調あり歌謡曲調ありのオッサンソングである。向かいの家、裏の家、もっと遠くのほうからも、開け放した窓からこのこぶしのまわった音楽、そして外れっぱなしの歌声・・・。

カラオケをやっていない家庭ではテレビを見ている。リビングは半分野外のような構造だから丸見えなのだが、どの家もこれまたナポリのローカルチャンネルを見ている。ナポリニュースの後はナポリドラマ・・・。

ディープな世界だ・・・。

夜、共同シャワー場に行ってみるとかなり込んでいた。どうもモビルハウスはトイレとキッチンは付いていてもシャワーはないようだ。時々湯が冷たくなったりする。周りからもお湯が出ないとか不満の声が上がっている。それにシャワー室もトイレも不潔でちょっと場末のキャンプ場っぽい。

えらいところへきてしまったと思いながらも、近くに他に空いたキャンプ場はないし、場所を変えるのも面倒なので3、4日をここで過ごした。たいがいは買い物に出ていたが、キャンプ場にいる間は、誰とでもしゃべる相方は、これまた人見知りしないナポリ人たちの興味津々攻撃はかわしつつも、適当にご近所との親交を深めていたようだ。

次の日ポッツオリの市場に行って魚を買った。特にこれといった収穫はなかったが、小さいさざえのような巻貝があったので、どんなものか試してやろうと3個ほど手にとって、量ってよ、とお店の人に出したら、量ってどないせえっちゅうねんと笑って、もってけと言ってくれた。キャンプ場に帰って、買った魚をさしみとバーベキューにした。巻貝もちょっとずつ刺身と塩焼きにしたらほんとにサザエのようでうまかった。

観光にも行きたいなと漠然と思っていたが、買い物優先してたら行けなかった。

以上、ディープなナポリ体験でした。





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Last updated  2007.06.28 20:25:12
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