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イタリアいなかまち暮らし

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2009.01.28
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カテゴリ:イベント
前回「日本滞在で書くことはあまりない」と書いたものの、私、頭の中では一行で済むかなと思っても書き始めると1項目くらいになっちゃうんですね。だから結構出てきそうです。

まずはイタリアの夫の実家での模様。

さて、胃の調子はその後順調に回復してクリスマスにはもうほぼ治っていた。用心して量をちょっと少なめに、食べ過ぎないようにしただけ。
クリスマスの食事は、いつもは義母が全部用意するのだが、今年は親孝行と、仕事のバリエーションを広げるためか?夫がシェフ役を買って出た。

どの地域、どの家庭でもそうなのかは知らないが、クリスマスの正餐は2度あって、クリスマスイブの夜にシーフードを基本とした夕食、クリスマスデイに肉ベースの昼食をとる。伝統行事なので通常は一家の主婦が作って家で食べる。
夫の実家では、いつもなら、魚の夕食は、生牡蠣、生ハマグリ、生スカンピ等の前菜、次にうなぎ入りトマトソースのパスタ、メインとして魚のロースト。肉の昼食はラグーのパスタにメインがラグーの煮込み肉やローストした肉である。

夫が作ったメニューは
イブの夕食
前菜が茹蛸の薄切りオリーブオイル和え、生のアジのカルパッチョ。プリモがアサリとムール貝を生のまま剥いて、トマトソースに茹でたスパゲッティと同時にこの身を入れて軽く火を通したもの(剥くのが面倒なため店では出していないスペシャルメニュー)。メインがうなぎとスズキのロースト。

クリスマスの昼食
前菜が鴨と鶏の肝のパテ、湯がいたささ身とレタスとルッコラのサラダ、アルゼンチン牛のフィレのレモン汁和え。プリモは生ソーセージの中身とマッシュルームのトマトソース煮(ボロネーゼによく似てる)を平麺と。メインがアルゼンチン牛サーロインのたたきに赤ワインソース、鶏皮とベーコンで巻いた鶏肉のロールのグレービーソースつき、鴨のロースト。

食したのは義父母と義祖母、夫の妹夫婦と8歳の甥と義弟の父親。好き嫌いの激しい甥が気の向くままにしか食べなかった以外は、おおむね好評だった。(まあそもそも食事が順番に出てくるというシステムとイタリアの食事時間の長さは、普通は子供はテーブルにじっと着いていることが苦痛だと考えれば当然向いていない。甘やかされてるというのも考慮しても、食事に飽きて途中で抜けて遊び出すというのはちょっと仕方がないと思う。)

義母は「お父さん(←家族で一番、食に保守的)は肝のパテなんて食べないんじゃない?」って言ってたのだが、彼も全部うまいと食べてくれた。
ただし家族だからといって気前よく作りすぎ、最後のメインはみんなもてあまし気味だった。

あと、思ったのだがこの人は(この調子では)絶対人の家の台所で料理を作って提供するケータリングというサービスは出来ないということ。
たとえば、人の家では、パスタが茹で上がったら麺すくい(あるいは足つきザル)というような道具が要るということはパスタを茹で始める前から考えとかなきゃいけない。
自分の厨房だとすぐにそれらが使える状態にあるから何も考えずにパスタを茹でれるのだが、それと同じ調子でつい何も考えずに料理を進めてしまう夫。茹で上がり時間ぎりぎりになってから「麺すくいどこよ!?」となぜか怒り声で台所の主を呼び始める。
無事麺すくいが見つかって皿に配分して食卓に届けるプロセスも、店のようにちゃっちゃと行かないので、パスタは固めのアルデンテを逃してしまうのだ。
もちろんパスタだけでなくどの料理にも同じような騒ぎがおき、タダでさえ長い食事時間を延ばしてしまった。

その後、私の実家で友人を招いて料理したときや、北海道のホステルで台所を借りたときも、「学習してないのか?」と思わされるような料理の仕方を見せてくれた。ただし包丁一本与えとけばあっという間に魚から切り身を作り出してしまうところはやはり便利な人間なので、連れ歩いて料理をさせるかいがあるというものだ。

以降の内容は日本への土産とか、イタリア料理を作るのにイタリアから持っていくのに参考になるかと。

食事に招いた友人たちにはラグーのオレキェッタ(生パスタをイタリアから買って持って行った)、夫の実家郷土料理の汁ラザーニャ(これはパスタ打った)と、メインとしてラグーで煮込んだ牛肉の塊とスペアリブ、副菜にカポナータを作った。汁ラザーニャには「業務スーパー」で見つけた冷凍の鶏がらを使った。これでスープを煮出して、ほぐし肉もびっくりするほど取れた。モツァレラはイタリアから持ってきた。ラグーに使う凝縮トマトペーストはイタリアで買い、缶トマトは日本で買った。

スペアリブはすぐに見つかったが牛肉のためにあちこち回らされた。最初「出汁をよく出すために骨付きの牛肉」と言っていたのだが、3軒回って無かったのであきらめてシチュー用の塊肉を買った。これだってシチュー用というとサイコロ切りしかなく、大きいものはカルフール(BYイオン)にしかなかったのだ。なぜかここでもお世話になるカルフール。いや、全然いいスーパーとは思ってないんだけどねぇ。

個人商店の肉屋は3人もいるのに全員学生っぽいバイトの子で、欲しい物を聞いても「はぁ・・・肉の塊・・・?」というわかったようなわからないような対応でちょっとむっとした。肉を切り売りする肉屋でこそ、骨付き牛、なくてもサイコロにする前の塊肉を売ってもらえるかと思ったのに、あるのはすでに切り分けた肉で、売ってる人はそれしか分からないって、どういうこと?だれかに聞きに言ってくれる様子も無いので、気分を害したまま立ち去った。
新興住宅街という場所柄、個人商店も少なく、あってもわけのわかった店主による対面販売が期待できないのは仕方ないのかもしれないが。

あとカポナータの材料も、ズッキーニとか、黄ピーマンとか、むちゃくちゃ高い!!無理に日本で作るほどのものでもないので、ちょっとだけにしておいた。季節外れだし。

友人たちには土産にパルミジャーノチーズをあげた。以前も土産に持って行って、非常に気に入ったが日本では高いのでなかなか手が出せないそう。
ハンドルをぐるぐる回すチーズ削りも「初めて見た」と言っていたので次帰るとき荷物に余裕があったら土産にしようかなと。

ちなみに、今回そこまで手が回らなくて友人には作らなかったけど、ティラミスの材料であるマスカルポーネも目が飛び出るほど高い。下地に使うパヴェシーニも前回日本でティラミスを作ったとき見つけられなかったのでイタリアから持って行ったら、なんとティラミスを作る前に家族が半箱ほど食べていて、作った後はほとんどなくなった。次は二箱持っていく。
それと仕上げに振りかけるピュアココアも、前回作ったとき日本で買ったらすごく高かった。イタリアの3倍くらいか。それも持って行った。

食後、モカでコーヒーを入れてカフェラッテを飲んでもらった。一人はコーヒー嫌いなので最初から飲まない。もう一人は味は好きなのにカフェイン過敏症で後でガクガクになるのでちょっとしか飲めなかった。しかし彼女は味がとても気に入って、「チョコレートケーキを飲んでるみたい」と非常に素敵な表現をしてくれた。私の発明品でもないのに妙にうれしい。今後彼女にコーヒーを飲ませる機会があったら、DECAFEINATO(カフェイン抜き)コーヒーを持っていって入れてあげたい。
ちなみにコーヒー嫌いはその言葉につられて一口飲んでみたが妙な顔をしただけ。あと一人はおいしい、と全部飲んだ。

モカは最初のころイタリアから持って帰って、毎回帰国のたびコーヒー粉を持ってかえる。以前はガス台で、モカが乗らなかったから焼き網にのせて火にかけていた。今はキッチンを改装してIHになったが、単純に電熱で熱くなる部分もついているのでそれを使う。熱の半分以上は無駄になっているが。

そんなふうに日本でもイタリアの調理器具を持ち込んだら不便だったり、食材も入手が出来なかったり、難しかったりするものはあるのだなと思った。まあもっと前からあちこちでリサーチしたり、大阪の都心に行ったりするとまた容易なのかもしれないが。





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Last updated  2009.01.28 22:09:00
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