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カテゴリ:旅行・レジャー
日本滞在は夫観察の旅でもあった。 まず朝食は毎回、超厚切り食パンである。あの日本にしかないふわふわモチモチが売りのあれをバタートーストにする。そして納豆を、納豆のみで食す。それにシシャモがあればさらにうれしいようだ。ご飯も好きだけど「ふわふわ食パンは日本でしか食べられないけどご飯はイタリアにもある」とでもいう考えか。その横で私はご飯に納豆をかけてシシャモと交互に食べる。 米はイタリアで食べれるとはいえ、私は今回深く再認識したがイタリアのSHINODE日本米と、日本で食べるご飯は、当然と思われるかもしれないが、全く違うものだった。イタリアに帰ってご飯がまずいこと・・・SHINODEは日本米というお札つきでありながらやはりイタリア米とそう変わらないかもと実感した。 私はサンマルクのモチモチの丸パンが恋しかったので買ってきて朝食にした日もあったが、一袋500円もするのはちょっと高すぎる。レストランでは食べ放題なことを考えると納得いかない。しかもレストランだとリアルタイムで焼き立てだし、好きなものを選べるし、バターも頼み放題だ。やはりあそこのパンが食べたくなったら、一番安い料理一皿をパン食べ放題のセットとともに頼んでパンを食べまくるべきだ。しかし前菜とデザートもついてセットだといくらとかいろいろお得なコースがあってついパンに集中できないのが難点だ。 なんだかんだ言って食べ放題というのは胃を壊したばかりの身には危険すぎるので避けておいた。次回の帰国の楽しみに取っておく。 夫の話に戻る。 コーヒーは実家ではたまにフィルターコーヒーが用意されている。あったら喜んで牛乳かフレッシュ(2コ)を入れて飲む。なかったらモカでイタリアのコーヒーを入れる。両党ということだ。イタリア人でフィルターコーヒーが飲めるのは珍しい。そのかわりお茶はあまり飲まないが。 外でコーヒーを飲む場合は必ずドトールか同レベルのセルフサービス系。あるいは自動販売機。私が目ざとくドトールを見つけるのがうまいからというのもある。そこでLサイズを二人で分ける。普通の喫茶店に入ると一人400円はかかるのでばかばかしい。 自動販売機は高速で休憩所に入るごとに1杯づつ試したが、ずらっと並んだあのボタンは夫にはわけが分からないので私に頼るしかない。普通のコーヒーだとどうも牛乳加減が弱いので私が不満だが、「牛乳屋さんの珈琲」とか似たような商品は夫に言わすと「キャラメルとかバニラとかの余計な香料が多すぎ」。結局普通のカフェオレがちょうどいいようだ。今回初めて見たが、機械の中で豆をひいてコーヒーを入れる様子が画面に映し出される自販機というものが出ていた。しかしよく見るとどれを選んでも同じ映像なので、ビデオなんじゃないか? 道を歩いていて赤信号のとき、ぎりぎりに、というか横断歩道にまではみ出して信号を待つ。実はこれはベルリンでも同じ行動をして、やってくる車をびびらせていたが、日本でもしたので「普通は歩道に収まるように待つから、はみ出すと不審な行為に思って車がびびるんだよ」と注意しておいた。そういえばカンポバッソにはそもそも横断歩道とか歩道とかいうものがほとんどないのだが、どこからでも道を横断しようとする歩行者が車道に乗り出して待ち構えていて運転していると非常に怖い。 温泉はもう慣れたもので、もう少し滞在してたらたぶんいつも小さい手ぬぐいを持ち歩いて、気が向いたらふっと入りにいくと思われる。 ヤツによれば手ぬぐいさえあればバスタオルは不要で、手ぬぐいで大方の水分をふき取ったら備え付けのヘアドライヤーを全身に吹き付けて乾かすらしい。これはまったくのニューインベンションで、これをやると周りの日本人は感心して眺めているということだ。 公衆浴場初体験は5年ほど前の日本滞在で、そのときは「熱すぎる」とすぐ出てきたので、次に二人で行ったときも気を利かせてさっと出てきたら、だいぶ待たされて、中で倒れてないかと心配させた挙句「あ~気持ちよかった~」と言いながら出てきた。それ以来何かというとオンセンオンセンと行きたがる。免許の更新に行ったときも近くの公衆浴場で待っていてもらった。服屋で買い物してても「俺をオンセンに置いてってくれたら良かったのに・・・」と不平をもらす。いや、ジーパン買いたいんでしょ?(日本だと裾あげしてくれると言う理由で)試着せずにどうやって買うのよ。 温泉の後は必ずビールを欠かさない。このオッサンはそもそも、生まれて初めて「おしぼり」を手にしたとき、しばし眺めた後なにも疑うことなくおもむろに顔を拭き始めた生まれながらのオッサンである。「風呂あがりにビール」も誰に教わることなく会得した。 ちなみに完全日本人化されてるように思われるオッサンだが悲しいことに正座はいまだに出来ない・・・。 ちなみに食べ物はほんとに偏見なく何でも食べるんだけど、どろどろのお粥だけはダメ。 前からよく日本人を観察して、言葉に詰まったときに「スー」と音を出して空気を吸う様子を真似したりしていたが、今度は日本人がよくTHANK YOUをSANK YOUと発音するのを耳ざとく聞きとって、SANK YOUと真似しては悦に入っていた。日本人らしく真顔で真剣に言うので芸が細かい。 +++++ こっからちょっと話が変わるけど。 ウチの父は年々頑固な性格になってきていて最近では異常性格的な面もちらつく。 家族が自分の思い通りに動かないとキレるのは前からだったけど。最後に喧嘩したときはこの横暴なとこに腹が立ってつかみかかって首を絞める寸前までいった。いや、つかみかかるところまでは本当に行った。家族に取り押さえられただけで。 次に喧嘩したらもう行くところまで行ってしまう?新聞沙汰?というのが頭にちらついたので、それ以来ちょっとでも意見が食い違うともう会話を打ち切ることにした。 それでも今回もなんか会話のすれ違いがあったところで「お前はアホか」となんか勝手に怒られたので火がつきかけたけど、必死で押さえた。押さえたために怒りはまだある。とうの昔に成人して、結婚もした娘にアホとか言うか? 他の家族も同じことで、父と険悪な言い合いになっては最終的には家族のほうが折れていた。納得できないのだが怒らすと怖いから折れるという感じだった。 今回も、車で片道8時間かけて1泊するという無茶な旅行に付き合わされたり、相方に大きな魚のうろこ取りを頼んでおいて結局皮のいらない刺身にしたり。しかし閉口したのはなにかにつけて正月だからと言って「これは伝統だから」と独りよがりのために家族を有無を言わせずつき合わせること。反対が出たらつべこべ言うなとキレる。 夫もちょっとカチンと来たところがあったみたいで、あとでこぼしてた。私も本人に言えないので結局夫にこぼす。 昔から確かにキレたら怖かったけど、「伝統だ、伝統」って、こんなに偏執狂みたいな人じゃなかったのに、と嘆いた。殺意も芽生えて、糖尿病+狭心症持ちなので大好きな甘いものとか脂っこいものをにっこり笑顔でたっぷり勧めてやろうかと思った、とも。 が、父は2年ほど前から血管の手術を何度も繰り返してて、そのため夫の考察によると「自分はもう長くないと思って、今のうちに子供に伝統を伝えたいと思って伝統に固執してるんじゃないか。特に娘は外国人と結婚して外国に住んでるから余計。」 ・・・父よ、少なくとも私は心ある夫を持った(かも)(オッサンだけど)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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