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カテゴリ:栄養雑学
大学で獣医になるものが学ぶ教科書で
間違えを見つけました。かわいそうなので本の名前は発信はしません。 ちょっとした間違えはどの本でもある事なので それをあしざまにいうことは良くないことです。 本文はこちら 「タウリンは~中略~含硫アミノ酸である」 冒頭が間違っていて、タウリンはアミノ酸ではありません。 それはアミノ酸の定義から少し外れるためです。 同様の間違えが獣医師が書いた飼育書にもたくさんあります。 別にタウリンがアミノ酸であるかどうかはそんなに問題には思っていませんが 執筆者が間違えることもあるでしょうし 出版社がチェックできないこともあるでしょう。 でも、大学で学生に教える教授。これから獣医師になろうとする 学生の誰も気が付けないことに残念な感情を持っています。 タウリンは以前にはアミノ酸としていた時期もあったようですが 私が学んだ1998年の段階にはすでにアミノ酸ではなくなっていました。 で、赫茄子さんが模範解答的な間違えを投稿いただいたので 皆さんの参考になさってください。 間違えている投稿はこちら 赫茄子さんの投稿 あの後気になって見てみたのですが、wikiにもアミノ酸として説明されることがある、とありました(^o^;) ウィキペディアの引用部分 タウリンは生体内で重要な働きを示す分子であり、含硫アミノ酸から合成される。なお、タウリンはカルボキシル基を持たないためアミノ酸には分類されないが、似ている物質であるためアミノ酸の一種と説明されることがある この部分の赫茄子さんの理解の誤りに気が付きますか? こういうことが伝言ゲームのように情報が変わっていく元で 模範解答的な間違えを書いています。 赫茄子さん「wikiにもアミノ酸として説明されることがある」 とありますが、ウィキにはそういうことは書いてありません。 書いてあるのは 「アミノ酸には分類されないが、似ている物質であるためアミノ酸の一種と説明されることがある」 この部分を赫茄子さんが「wikiにもアミノ酸として説明されることがある」と、まとめているのですね 違いは分かりますか?ウィキでは赫茄子さんがまとめたようには記していないのです。 問題点を絞ると「アミノ酸の一種」これを「アミノ酸として説明される」こと に言葉を変えています。 同じではないか!とおもいますか? この文章は違う内容を書かれています。 一種には2つの意味があります。 一つは赫茄子さんが使った意味 もう一つはウィキで書いた人が伝えたい意味 これは大正製薬のHPでも同様の表現をしていまして、 本当は読み手の誤解を産む言葉なのでふさわしくはないと思っています。 生さんが大正製薬のHPで「タウリンはアミノ酸である」と言うようなことをかいてあるのを見つけて 私が電話で指摘して修正したところ、タウリンはアミノ酸の「一種」と言う言葉で紹介されているのです。 一種の意味 1、 一つの種類。同じ種類。 2、 (その中に含めてもよいと思われる)ある種類。 赫茄子さんは「1」の理解でいます。 大正製薬のHP とウィキ執筆者はタウリンを正しく理解して 「2」の表現をしています。違うのは分かっているけど、含めてもいいと思われるというニュアンスが含まれています。 タウリンはアミノ酸では厳密的には違うけれど、 よく似ているのでアミノ酸様成分とか、アミノ酸の一種とされるのです。 どういうことかと言えば、 タウリンのウィキのようにカルボキシル基とアミノ基のそういう部品を持っているかどうかの話です。 それは他の成分と結合をする連結の手になり、 これがタウリンがアミノ酸ではない理由になります。 どう説明しようかと言えば、 野球少年がいるとします。 左手にグローブ、右手にボールを持っているのをアミノ酸と定義したとします これはボールとグローブでキャッチボールができて ボールはグローブに収まり、ボールをさらに放ることができる関係があります。 一方はタウリンの様な状態は、左手にグローブと、右手にバットを持っている状態に 私はイメージをしてみました。 これは見るからに野球少年には見えますが、 バットのグローブは直接の関係が無いのでそれだけでは遊べません。 キャッチボールもできません。右手の存在と左手の存在が繋がれないのですね。 でも、野球をする少年だとは見えるので、 その仲間のようにも見えるけど、 キャッチボールをするのがグループとしたときに 厳密には仲間ではないのですね。 難しいかもしれませんね。厳密にはタウリンはアミノ酸の定義を持っていないという事です 昔の本には人間の栄養学でもタウリンはアミノ酸にされています。 ただこの定義が変わったのかでアミノ酸から少し外れています。 でもそういう分類上のことなんか一般の人にとってはどうでもいいことです。 でも、専門家はこういうところを正確に理解して 活用せねばならないのです。 執筆者も間違えることは往々にしてあります。 繰り返しますが、その教科書を用いてる教授 獣医師になる学生の誰も何年も使っているので たくさんの人が読んでいるのに気が付かないということが 正しいことを書かれていないのに気が付かないところに 残念な思いを持っています。 正しいことを正しいと 教科書であろうとも間違えていれば気が付く人が 一人でもいてほしいものなのです こんなタウリンの明確な間違えているとわかるレベルの間違えを気が付かずに 他の誤りを気が付けるかどうか大いに疑問です。 ちなみに私は他の部分でも人間の栄養学から見ると誤った表現を 見つけています。私はたくさん本を読んでいるので そのなかで違いに気が付いているだけです。 結局、訂正が無いので引用が広がり間違っていることが広がっています。 皆さんもタウリンがアミノ酸と言う記述があれば 出版社に教えて差し上げるか 私に教えていただければ出版社に連絡させていただきますね。 ペットの本にもペットフードにもたくさん間違えて記載されています。 タウリンは人間にとっては栄養素ではありません。 犬にも栄養素ではありませんが、猫にとっては栄養素です。 栄養学、栄養素の概念は人間が必要な物かどうかで 判断されるのでしょう。そして、犬や猫などそれぞれの種族で 栄養素であるかどうかを判断して行くことになります。 いうなれば、犬や猫にとってはビタミンCは栄養素ではありません。 猫にとってタウリンは人間よりも合成はできるのですが 再利用できないので自分で作る量では不足して 摂取の必要がある成分です。補給しないと死んでしまうので 栄養素なのですね。 では、猫にとってタウリンはどういう区分で栄養素になるのでしょう。 栄養素はタンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5つに分かれます。 ではタウリンはどこに入るのでしょうか? アミノ酸として、タンパク質に含めますか? それは無理が2つ重なるので少し強引な思いをしています。 どういうことかと言えば、栄養素に含まれるたんぱく質は タンパク質を合成する20種類のアミノ酸が栄養素の材料ということになります。 アミノ酸は300種類以上あると言われる成分で、 そのなかの20種類が栄養素のグループです。 それ以外のアミノ酸は栄養素ではないということです。 タウリンをこのアミノ酸として扱ったところで、 タンパク質を構成するアミノ酸ではないので 2つの無理が生じるのですね それならグループの定義の緩い基準のビタミンに加えてしまえば 無理なく「猫の栄養素」です。と言えると私は思うのです。 そんなお話です。難しいですね。 出版社にメールで間違えを指摘しました どんな返答があるのか楽しみです。 今年は獣医師になる学生が使う教科書の3冊でタウリンの記述間違えを見つけました。 なるべく科学的に正しい表記を記載し 知識を皆さんで共有できるようになると良いなーと思っています。 そんな感じで、赫茄子さんの一種の認識は 事実と違うことを理解して発言しています。 これは日本語の難しい部分ですが、 こうして伝言ゲームのように誤った情報が広がっていくので 注意が必要です。そういう意味で赫茄子さんは良い模範的な間違えをしてくださいました。 そのおかげでこの記事ができ、 皆さんの学びの一助になりました。 ぜひ赫茄子さんに感謝申し上げてください^^ ではまた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.16 23:48:25
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