さっちゃんと９人家族

　　ついこの間まで知らなかった、自分の娘Kが建築史の講座に入っていることを・・・。

3年生の時に、4年で専攻する講座の申し込みをするのだけれど、設計の講座はとても人気があって、ここでも成績優秀者からとってもらえる。
彼女もトライしたけれど、入れなかった。

だから彼女の4年生前半は課題に追いまくられることなく、いわゆる勉強に力をいれたり、バンドの自主ライブをしたりして大いに学生生活を楽しむことができた。

　　でも彼女の心の中には、ぜひY先生の教室で設計をしたい・・・、という思いがあって院入試にチャレンジすることにした。

　専門の試験はペーパーテストと実技がある。
テストの方は過去問によると、実に知識を問うものばかりでとにかく詰め込むしかない。それでも詰め込むことさえできれば良し、といえる。

けれどもなんといっても難関なのは実技
私は本人じゃないから正確には分からないけれども、彼女の口から私が理解したことは、与えられたテーマで5時間で一通りの設計を仕上げる、というものらしい。
この実技試験のことを彼女らは「one day」と呼んでいる。

　朝、9時スタート2時終了　この5時間の間、飲み物を飲みたいだのおなかすいただの、そんなことが頭によぎる暇もなく、頭は動き詰めで・・・、まさに必死でやり続ける。

それでもとてもじゃないけれど5時間の枠の中できちんと仕上げることは出来そうもない。1度やってみて彼女はそう思い、徹底的に「one day」の練習に邁進することにした。

でもこの練習、彼女はとってもやりがいのあることのように感じている様子。
限られた時間、限られたテーマ！！

制限が付けばつくほど、その中にあるわずかな自由を駆使して創造していくことは、実に楽しい。（好き勝手に自由にやってください！そう言われた時が一番困る、それが人間ですよね）