カテゴリ:株式投資
bloomberg http://www.bloomberg.co.jp 日本株は海外要因に振られ下落、金融や中国関連安い-終盤下げ渋る 10月22日(ブルームバーグ): 日本株相場は下落。前日の米国株式市場で金融機関の経営問題に対する楽観論が後退した影響を受け、銀行や証券といった金融株が売られた。中国の7-9月期の国内総生産(GDP)の伸びが市場予想を下回り、中国景気に対する過度の期待も後退、海運や鉱業、石油株も安い。 日経平均株価終値は前日比66円22銭(0.6%)安の1万267円17銭。TOPIXは同5.10ポイント(0.6%)安の908.60。 独アリアンツの資産運用部門であるRCMジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、「民主党政権による政策の先行き不透明感や円高などでさえない展開が続いている。これから発表が本格化する国内企業の決算は、ある程度相場の下支えになるかもしれないが、先行きは不透明なまま」と話していた。 米国株安の流れを引き継いだ日経平均は、じり安展開が午後1時すぎまで続き、一時1.7%安の1万159円と、シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物(円建て)の21日清算値(1万255円)以上に売り込まれた。投資家の短中期売買コストを示す25日移動平均線(1万123円)が、中期コストの75日線(1万116円)を上から下に突き抜け、目先の弱気相場入りを暗示するデッドクロスを昨年7月以来、形成する可能性が高まっている。 デッドクロス警戒、戻り売り出る価格帯 証券ジャパンの大谷正之調査情報部長によると、「1万円から1万500円付近は夏以降もみ合っており、この価格帯は戻りを待った売りが多い」という。 朝方の下げ材料となったのが、米金融不安の再燃だ。米銀ウェルズ・ファーゴが21日に発表した7-9月(第3四半期)決算は過去最高益となったが、ロッチデール・セキュリティーズの著名アナリスト、リチャード・ボーブ氏が「過去最高益は事業トレンドの改善によるものではない。融資損失が拡大しているように見える」などと指摘。同氏はウェルズの投資判断を「売り」に引き下げたため、金融機関の経営不安が再燃した。 これについて、テキサス州が本拠のUSグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、マイケル・ナスト氏は「大手の金融機関で今後明らかになる問題を示唆している可能性がある」と見ている。金融株が下げを主導して21日のダウ工業株30種平均は3日ぶりに1万ドルを割り込んだほか、米ADR(預託証書)市場では日本の大手銀行株が軒並み安かったため、東京市場にもこの流れが波及した。 中国GDP、クレディS決算 また、日本時間午前11時には中国政府が7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)を発表。伸び率が市場予想をやや下回ったことから、午後の取引で商船三井などの海運株や鉱業株といった中国の景気動向の影響を受けやすい業種が下値を探る場面も見られた。同国の第3四半期GDPは前年同期比8.9%増加と1年ぶりの高い伸びを示したが、ブルームバーク・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値9%には及ばなかった。 もっとも、午後の取引半ばからは下げ幅を縮小した。日本時間午後1時45分にスイス最大の銀行、クレディ・スイス・グループが7-9月(第3四半期)決算を発表。3四半期連続の黒字でアナリスト予想を上回たことから、朝方高まった金融不安が後退し、先物に大口の買い戻しが入った。 午前は安かった輸送用機器のほか、大手商社が上昇転換。ゴム製品や建設、金属製品なども上げた。東証1部の騰落銘柄状況は値下がり1020、値上がり527。売買代金は1兆3681億円。業種別33指数は26業種が下落、7業種が上昇。 DTSが急落、インフル関連は高い 個別では、企業の情報化投資の低迷で2010年3月期の業績予想を下方修正したDTSが急落。10年3月期の営業損益予想を黒字から赤字に下方修正した日本金銭機械も急反落。10年3月期の連結営業利益予想を28%下方修正した日本システムディベロップメントも続落。 半面、ダイワボウホールディングスなどマスク関連株が軒並み高。新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)関連薬品の需要増で、4-9月期業績が従来計画を上回る見通しとなった東邦ホールディングスが大幅続伸。野村証券が投資判断を「中立」から「買い」に引き上げたスズケンは1年ぶりの高値を更新した。 与信関連費用が減少する見込みとして、4-9月期の連結業績予想を上方修正した宮崎銀行、野村証券が投資判断を「ウエート下げ」から「中立」に引き上げたサンエー・インターナショナルも買われた。 新興3市場は軟調 新興3市場も軒並み安。ジャスダック指数は前日比0.1%高の49.30、大証ヘラクレス指数は同0.1%高の586.65。一方、東証マザーズ指数は同0.4%安の443.68。 個別では、10年3月期の業績予想を上方修正したブイ・テクノロジーが続伸。4-9月期の業績は従来計画を上振れたもよう、と前日発表したデータリンクスはストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)比例配分。半面、ACCESS、グリー、サイバーエージェントなど主力のネット関連企業は下落。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 常冨 浩太郎 Kotaro Tsunetomi ktsunetomi@bloomberg.net 更新日時: 2009/10/22 16:16 JST お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.10.22 23:13:49
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