カテゴリ:本
久しぶりに失敗した…。
原題は『A History of Nationalism in Modern Japan』→近代日本のナショナリズムの歴史。 アメリカ人に向けた、近代日本の思想家の紹介というか思想の流れというか、カタログみたいなもの。 しかもそれが微妙に間違ってたりなんだったり。 ナショナリズムとネーションの用語解説とか意味の確定を棚上げしたままずんずん論に入っていくから非常にわかりにくい。 日本人が普通に使ういわゆるナショナリズムってよりは、“国民主義”的な意味合いで使ってるのが多いかな?と思う。 確かに最後に「民主主義はナショナリズムなしでは有り得ない」「国旗を振らず国歌を歌わない国がはたしてあるだろうか」とは書いてありますが、別に日本の保守思想アゲな本でもなんでもありません。 本人の思想としては、フランス革命時に唱えられた市民中心主義が、“僕の愛する素敵なナショナリズム”なんでしょう、多分。 それは、“それまでの身分制度から解放された新しい平等の理念の実現形であるところの市民が社会変革の主要メンバーになるんだ”っちう一見悪くない風を装った思想ではあるんですが、 だがしかしその実態は、武器を持った一般大衆による混乱と泥沼な内戦と大虐殺がデフォルトだったわけで。 うーん、そう考えると、ナショナリズムをそのままにしてあえて訳さなかった訳者とタイトル売りしようとした出版社の作戦勝ちだね。 まんまとひっかかったよ。 考えてみれば、アメリカの日本研究なんて、戦時中から戦後にかけて国挙げてやられたものが基礎で、そのほとんどが日本人から見ると“なんじゃこりゃ”レベルのモノばっかりだったもんね。 アメリカ人に日本の思想界の事教えて貰おうと考える事自体間違ってたわ。 どれくらい“なんじゃこりゃ”だったかというと、有名な逸話↓ アメリカ人「日本人はテンノーを神の末裔だと考えてるらしいぜ!!アンビリーバボー!!!」 アメリカ人「ヘイジャップ!教えてやるぜ、人間の祖先はみんな猿なんだぜ、びっくりしたか?!」 日本人「進化論なら、小学生の時学校で習いましたが、それが何か?」 アメリカ人「………。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年01月23日 19時22分09秒
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