カテゴリ:本
戦後五十周年に当たって、極東国際軍事裁判→いわゆる東京裁判史観の克服のために刊行された良書。
「法律なければ犯罪なし」が法治国家の大原則だってのに、 「戦争後までは存在しなかった「平和に対する罪」を過去にさかのぼって適用する」無法っぷり、 「裁判と呼べるシロモノではなかった」、「国際法に違反する政治的茶番劇」とまで言われるその実態を、精緻に解説・批判しています。 「つまり、アメリカ政府は「ポツダム宣言」に伴い「無条件降伏」政策が変更を余儀なくされていることを承知しながら、 日本政府が休戦に応じた途端、「日本は無条件降伏をした」と悪質なデマを流し、 なおかつ検閲によって日本側の「発言権」を奪って反論できないように追い込んだ上で、 「ポツダム宣言」を大きく逸脱して実質的な「無条件降伏」政策を日本に強要したのである。 連合国、特にGHQの政策を主導したアメリカという国が、自国の政治目的を達成するためには、国際条約さえいとも簡単に反故にした歴史的事実を、私たちは後々まで忘れてはならないであろう。」 戦後の日本人はアメリカのフィルターのかかった情報ばかり与えられてきたため、 他の国が東京裁判を否定している事実を、ほとんど知らない。 戦後すぐは、戦犯は被害者なのだから戦死者として扱い、恩給も靖国合祀もしてあげなければ可哀相と社会党の代議士が率先して演説していたものだったのに(そして全会一致で国会を通過していたというのに)、 この戦後五十年には、社会党出身の総理大臣が謝罪・不戦の国会決議を行い、 完全に論破されているはずの東京裁判史観は今なお、大手を振って闊歩している。 私たちの常識は明らかに、退歩している。 どういう事なんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年01月31日 18時05分27秒
[本] カテゴリの最新記事
|
|