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テーマ:いい言葉(572)
カテゴリ:音楽・映画・本・絵による癒し
先日見たDVD「天使の卵」の冒頭に
宮沢賢治の「告別」が出てきます。 ものすごく気になったので。 ネットで探してきました。 おまえのバスの三連音が どんなぐあいに鳴っていたかを おそらくおまえはわかっていまい その純朴さ希みに充ちたたのしさは ほとんどおれを草葉のようにふるわせた もしもおまえがそれらの音の特性や 立派な無数の順列を はっきり知って自由にいつでも使えるならば おまえは辛くてそしてかがやく 天の仕事もするだろう けれどもいまごろちょうどおまえの年ごろで おまえの素質と力をもっているものは 町と村の一万人のなかになら おそらく五人はあるだろう 泰西著名の楽人たちが 幼齢 弦や鍵器をとって すでに一家をなしたがように おまえはそのころ この国にある皮革の鼓器と 竹でつくった管とをとった それらのどの人もまたどの人も 五年のあいだにそれを大抵無くすのだ 生活のためにけづられたり 自分でそれをなくすのだ すべての才や力や材というものは ひとにとどまるものでない (ひとさえひとにとどまらぬ) 云わなかったが おれは四月はもう学校にいないのだ 恐らく暗くけわしいみちをあるくだろう そのあとでおまえのいまのちからがにぶり きれいな音が正しい調子とその明るさを失って ふたたび回復できないならば おれはおまえをもう見ない なぜならおれは すこしぐらいの仕事ができて そいつに腰をかけているような そんな多数をいちばんいやにおもうのだ もしもおまえが よくきいてくれ ひとりのやさしい娘をおもうようになるそのとき おまえに無数の影と光の像があらわれる おまえはそれを音にするのだ みんなが町で暮らしたり一日あそんでいるときに おまえはひとりであの石原の草を刈る そのさびしさでおまえは音をつくるのだ 多くの侮辱や窮乏のそれらを噛んで歌うのだ もしも楽器がなかったら いいかおまえはおれの弟子なのだ ちからのかぎり そらいっぱいの 光でできたパイプオルガンを弾くがいい すてきな詩です。 若さは 可能性に溢れていて だけど、日常に流されることで 大切なものを失っていく。 愛によって光と影を知り それが新しい何かを生みだす予感。 光でできたパイプオルガンは どんな音を奏でるのでしょうね。。。 私は学生時代文学少女ではなかったので 教科書に出てくる「雨ニモマケズ」くらいしか 宮沢賢治を読んだことなかったのですが これを期に、少し読んでみたいなって。 岩手にも何度も行ってるけど 興味もなかったので ろくにゆかりの場所を訪ねたりもしたことなかったな。 いつか訪ねてみよう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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